拝啓、ノースポイントより

エースコンバットを自由研究するブログ

ファーバンティは燃えているか

※関連書籍や公式サイトを調べる、または、実際にプレイして得た知見と、それに基づいた推論のみを書いたつもりですが、一部与太話に近い話もありますのでご注意をば。

 

 

今日も誰かのPS2PS4の中で、侵攻を受ける街がある。 

海上には軍艦の残骸が漂い、空は戦闘機に埋め尽くされ、国道では戦車が燃え、橋は落ち、市街地には燃料気化爆弾や自己鍛造弾が豪雨の様に降ってくる、今日も燃えゆく街がある。

 

連合軍からすれば、 悪の軍事大国「エルジア共和国」「エルジア王国」の首都であり、踏み潰すべき諸悪の根源が集う、いわば社会の病巣である。

エルジア国民からすれば、ただ暮らしてるだけなのに、隕石が直撃してきたり、気付けば連合軍に包囲され、街中を戦車や装甲車が走り回り、撃墜された航空機が降ってくる。

そんな世も末な街がある。

 

街の名は「ファーバンティ」。

連合軍の侵攻の前に、なす術もなく燃え続ける、エルジア悲劇の都である。

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上空からみたファーバンティ

 

 

・ゲームにおける、ファーバンティ

 "ファーバンティ"とは、エースコンバットシリーズのいくつかの作品に登場する、街の名前、またはステージの名前だ。

「04」においても、「7」においても、「エルジア正規軍との戦争の決着」がつく、世紀の決戦の地、物語のクライマックスや転換点に相当する場所だった。

ちなみに、主人公達はどちらの戦争でも、この街に侵攻する立ち位置にある。

 

ここでのミッションは、その作品のメインテーマやメインフレーズが多用された、ノリノリの音楽をバリバリ流しながら進行していき、必死の形相(顔は見えんけど多分そう)のエルジア軍と、勇猛果敢に攻めまくって進撃する味方軍らによる無線で、戦いはエキサイトする。

そもそも、シチュエーションが戦争終結を決定づけるという首都包囲攻略戦なので、否応無しにでもテンションは上がるのだ。

それを更に盛り上げるべく、エルジア側のなり振り構って無さを表す、妙な戦法も面白い。

例えば戦艦を湾内にわざと自沈着底させて、不沈砲台として運用するとか。

例えば、劣勢にある制海権をなんとかしようと、水没都市に潜水艦やらピケットやらを隠してコソコソと砲撃させるとか。

また、両戦争どちらでも、敵側の将校達は往生際悪くも、総司令部に敵軍がなだれ込んで来むその最後の瞬間まで、白旗を揚げずに奮戦し続けようとする。

正直、ボコボコにされ続けている現場の兵士からすると、迷惑この上ない話だけど。

 とにかく探してみると、これらのような細かな作り込みがあったりして、かなり興味深かったりする。

 

 ってなわけで、プレイヤーは今日もノリノリの音楽とシチュエーションの中で、エキサイティングしながら爆弾を市街地に投下するのだ。

 今日も、ファーバンティは燃えている。

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ファーバンティを燃やすための作戦会議が開かれている。

 

 

・ストレンジリアルにおけるファーバンティ

・歴史

この街の歴史について語られる情報は驚くほどに少ない。

とはいえ、そんなことで嘆いていても仕方がないので、この項では知っている情報と、推測できる情報(妄想)を書いていく事とする。

ファーバンティはユージア大陸最西端に位置する港湾都市であり、軍事大国”エルジア共和国”または、”エルジア王国”の首都である。

この立地は、そこから西の海の向こうに存在するオーシア大陸各国と貿易したり、東の地続きであるユージア大陸各国との間で、貿易の橋渡しをする上で有利であると考えられる。

つまりこの街は、ユージアへの玄関口としての役割を持ち、二つの大陸の間で、海運、陸運の両方を駆使し、歴史的に栄えてきたのだろうと想像できる。

その証拠として、広大な港湾施設やコンテナヤードが存在したり、街中をハイウェイが縦横無尽に走り回り、また埋め立て地からは鉄道路線が引かれてるなど、物流に力を入れていると思われる事柄がいくつもうかがえる。

歴史的にみても、エルジアの外貨獲得や、経済成長を牽引するという役割を果たしてきた重要な都市なのだと想像できる。

 

そんな、繁栄を謳歌してきたファーバンティに影をさす出来事が生じる。

小惑星”1994XF04 ユリシーズ”が、1997年7月3日にロシュ限界を突破し、同7月8日には千以上の核と無数の塵に分裂して地表に落下、そのうちの一つは首都南西の市街地を直撃。

これにより、数万のファーバンティ市民は命を失った。

また二次災害として、海岸線の一部が海中に没し、市街地の中には水没し放棄を余儀なくされる地区まで発生する。

人的経済的損害を受けてもなお、エルジアは遷都することなくこの街を首都としつづけ、被災し敗戦を乗り越えた2019年時でも、依然としてファーバンティは首都のままである。

ちなみに、この時出来上がったクレーターは、後にレイカークレイターと名付けられた。

 

このような被害を受けたにも関わらず、国際社会は、隕石落下によって発生したユージア各国の難民をエルジアに一方的に押し付けた。

エルジア国境の難民キャンプには約20万人以上の受け入れが既に為されていたが、各国NGOは人道的空輸計画などと嘯きながら、無計画な難民輸送を継続した。

結果、これに反発したエルジアは、2003年の夏、突如、隣国サンサルバシオンへと侵攻、隕石迎撃砲"ストーンヘンジ"を接収する。

第一次第大陸戦争が開戦した。

 

また、2019年には、オーシア連邦共和国によって、IUN-PKFよるユージア大陸各地への駐屯、国際軌道エレベーター”ISEV”建設という巨大利権が主導されていふ。

この二つの柱によって、別の大陸の第三国であったはずのオーシア連邦共和国による、ユージア大陸への影響力が拡大してしまう。

それに対して不満が蓄積爆発したエルジアは、2019年5月15日、宣戦布告と同時攻撃し、第二次大陸戦争、通称”灯台戦争”が開戦された。

 

これらの両戦争は、この街の総司令部から指導決定され、西から東へとエルジア軍はその手を広げていく。

しかし、最後には、ISAF"連合軍"または"オーシア国防軍やらIUN-PKFらによって、東から西へ、最後にはこの街へと逆侵攻される形で戦争は終結する。

 

 この街から戦争が始まり、この街で戦争が終わる。

 この街から大陸全土へと火の粉が振りまかれ、最後にはこの街が火の海となる運命なのだ。

 ※1 2005年9月19日、ISAF連合軍"オータム・サンダー作戦(Operation:Autumn Thunder)"。ISAF(独立国家連合軍)陸海空軍によって、 ファーバンティ包囲のち陥落。同日エルジア政府はISAFによる降伏勧告を受諾。第一次大陸戦争終結

※2 2019年9月19日”ジャイアント(ツ)・ステップ作戦(Operation:Giant’s Step)”。

オーシア国防軍並びにIUN-PKFによるファーバンティ包囲侵攻。同日、エルジア総司令部及び市街制圧。エルジア軍幹部数名が殺害される。

本作戦と並行して、オーシア国防軍、エルジア王国軍、それぞれの敵国の通信衛星に対する衛星破壊作戦が発動。ユージア大陸全土で通信ネットワークが断絶。

その後も、IUN-PKFによって終戦まで制圧されていたと考えられるが、詳細は不明。

 

 

 

・気候(?)

気候は地球上の位置関係から推測する。

04で語られるブリーフィングでは、北緯42.0 東経?西経?102.5で、これは現実世界におけるモンゴル(北緯42.0 東経103.3)と殆ど同じである(?)。

北緯42.0と言えば、日本の北海道や、アメリカ合衆国など、要は、冬は結構寒い気温になる、いわゆる亜寒帯湿潤気候である。また、42度には(エルジアのモデル国という説が強い)イタリアやフランスなども含まれており、ファーバンティの寒々とした雰囲気にピッタリなのである。つまり、ファーバンティの冬は寒いのだ。

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オーシア軍による、ジャイアントステップ作戦のブリーフィング。

しかし、7で語られるブリーフィングでは、驚くべきことに、北緯18.02 西経76.34という奇怪な数値の羅列が並んでいる。

これは、現実世界におけるジャマイカ南アメリカ)な訳で、先の北緯42度云々とは気候そのものが違う。冬の平均最低気温は23度である。亜熱帯気候で、冬はそこまでは寒くない。

ようは、2005年のファーバンティと2019年のファーバンティでは、緯度経度(そして多分気候も)が大きく変化しているという恐ろしい事実がある。

恐らく、軌道エレベータ(赤道付近に建てておく必要がある)を”ガンサー港湾”に建設するべく、14年という歳月の中で、ユージア大陸そのものが赤道を目指して南下したのち、東奔あるいは西走した可能性が考えられる。

理屈や原理は不明だが、ユージア大陸はその気になれば、プレートごと大移動ができてしまうとてもスゴイ大陸なのかもしれない。

まとめると、ファーバンティは北緯18.02 西経76.34に位置し、恐らくは亜熱帯気候であると考えられる。

イメージ的には、現実世界における、メキシコやフィリピンがわかりやすいだろうか。

沖縄よりも南に位置し、赤道にとても近い、暖かな都市であると考えられる。

ファーバンティはめちゃくちゃ暖かいのだ。

大人の事情とか緯度経度とか、そんなもん俺は知らんので、これ以上の深入りはせんぞ。

 

・地理

とても 広大な市街地を有しており、また南部の埋立地港湾施設を中心として、まず四つの地区に区分される。

①埋め立て地区

②東部市街地区

③北部市街地区

④西部高層ビル街と水没地区

上記の四つは、第一次大陸戦争における主要な戦区である。

そこに、灯台戦争では、上記の四つに加えて戦闘が発生する場所が拡大した。

⑤南部スプリング海沖

最後の一つは、両戦争どちらも戦区とはならなかった地区である。

⑥北西市街地区

大まかな区分ではあるが、以上の六地区にわけて、ファーバンティの街を紹介する。

 

 ①埋め立て地区

「こちらタンゴ4、埋め立て地南部へと上陸。司令部の制圧に向かう」FREND.G Ace combat 04より

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国会議事堂(HQ)上空での戦闘。行政施設が商店街のようにして並ぶ。

この地区は軍事、行政の両面で最も重要な立ち位置を持つ、エルジアの中心地である。

地区全域に渡って、コンテナヤードや港湾施設が広がっており、商業面でも重要な地区でもある。

まず、行政面では、南の埋め立て地にエルジアの頭脳たる国会議事堂が建っている。

また、国会議事堂を中心として、まるで商店街の様に各種行政施設が並んでいるのが伺える。

そして、軍事面ではその地下には、軍を指導する総司令部"HQ"が存在する。

このHQのある埋め立て地から東西北に向かって三本の橋が伸びており、当地域へのアクセスは殆どそれらからのみによって行われる。

両戦争通して、最終的にエルジアはこの埋め立て地まで押し込まれる運命にある。

第一次大陸戦争では、エルジアは、埋め立て地区への道である、三つの橋のうちの二本の側に戦艦や巡洋艦を配置させ、橋を渡ろうとする敵軍を狙い撃つなどして最後の抵抗を行った。

灯台戦争においては、"イージス・アシュア"が設置され、大量の対空車両と戦車がここに集い最後の抵抗を行った。

エルジア軍の往生際の悪さが最も輝く場所でもあるが、奮戦虚しく対空設備は大体全部燃えるという結末に終わる。

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イージス・アシュアとオーシア空軍機。イージス・アシュアは戦闘で半壊し、対空設備が殆ど死んでいる

 

 ②東部市街地区

 「シルバーブリッジは方位030(北東)、すぐそこ」 

AWACS SKYEYE Ace combat 04 より

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ルバーブリッジ。連合軍、オーシアの両方が進行ルートとして利用した。奥に見えるのは東部市街地。

連合軍、オーシア軍両地上軍がエルジア侵攻のルートとして大いに活用した場所である。

市街には、埋め立て用の土砂を運び出したと思わしき巨大な掘削跡が点在しており、そこに塹壕よろしく対空車両が隠されている。

第一次大陸戦争では、"シルバーブリッジ"付近が激戦区となる。

エルジア軍が、 ここに防衛陣地を構築したり、戦艦を自沈させ不沈砲台として運用して抵抗したためである。

灯台戦争においては、オーシア軍ワンド隊らによる進撃に対して、エルジア軍は大量の制空戦闘機とA-10Cやハリアーを投入したがために、ここの市街全域で激戦が展開された。

 恐らく、流れ弾などで、ファーバンティの中で最もよく燃え盛った市街地域であると考えられる。

 

③北部市街地区

「ジョンソン記念橋は方位320(北西)すぐそこ」

AWACS SKYEYE Ace combat 04 より

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激戦が繰り広げられる北部市街地区。左に見えるのが復興記念公園。

市街地のほか、ハイウェイの集結地点になっており、それらはまとまって最後には埋め立て地方向へと伸びている。

ここは、第一次戦争においては、エルジア軍戦車部隊が包囲されつつあるHQを救うべく急行した道だった。

しかし、"メビウス1"やISAF工兵らによって、埋め立て地とを結ぶ"ジョンソン記念橋"は叩き壊され、遂にそれが叶う事はなかった。

戦後、壊されてしまった "ジョンソン記念橋"の代わりとして、鉄道用と車両用の二つの昇開橋が完成している。

2020年には"復興記念公園"が出来上がっている。

この公園は、 隕石による巨災、第一次大陸戦争による戦災から立ち直った事を讃える為の公園であったのかもしれない。

しかし、 第二次大陸戦争においては、戦車部隊が配置され、それに対してオーシア側はメイス隊を展開し、この公園も戦闘区域となる。

何とも皮肉なものである。

しかもこの一帯は、第一次とは逆にオーシア軍戦車部隊が包囲しつつあるHQにトドメを刺すべく急行した道となった。

昇開橋は、オーシアを阻むどころか、その進軍を大いに助ける結果となった。

重ね重ね、皮肉なものである。

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灯台戦争の際、オーシア陸軍が利用した昇開橋。名称不明。第一次大陸戦争で破壊された”ジョンソン記念橋”の代わりとして建設された。


 

④西部高層ビル街と水没地区

「市街地水没地区は方位280(西)すぐそこ」

-AWACS SKYEYE Ace combat 04 より

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北から見た高層ビル街。ピカピカである。近代的な都市に見える。

実は、個人的にファーバンティはミッションの盛り上がるBGM抜きだと、かなり辛気臭い雰囲気を放っている街だと思っている。

そしてこの地域こそが、辛気臭い雰囲気の最大の原因だと思わしき地域。

北から見ると、広大な市街地と相まって、なるほど大変素晴らしい近代ビル群が広がっている光景を拝むことが出来る。

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南から見た水没地区。ボロボロである。この世の地獄に見える。

しかし、南から近づいていくと、巨大隕石の破片によってできたレイカークレイターと、腐食し、劣化した高層ビルがふにゃふにゃと並ぶ、見るも無惨な水没地区の光景が目に飛びこんでくるだろう。

このピカピカなビル群は2019年時には存在するが、大陸戦争の時には無かったものだ。

高層ビル街と水没した高層ビル群の間は工事現場が広がっており、新しいビルの建設が急がれている。

ピカピカな高層ビル群はさながら、他の市街地や住宅街から水没地区を覆い隠す見たくないものを見ないが為の"壁"としての役割を果たそうとしているようにも見える。

そもそも第一次大陸戦争は巨大隕石ユリシーズが落着することによって発生した膨大な難民を、ユージア各国がエルジアに一方的に押し付ける事によって勃発した戦争だ。

即ち、クレイターはエルジアの開戦とそこから繋がる敗戦と没落の象徴なのだ。

更には、首都に隕石の破片が衝突し、膨大な損失を被ったにも関わらず、それでもなおエルジアに手を差し伸べず負担を押し付け続けてきた国際社会への不信の象徴でもあるのだ。

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上空からみた水没地区と復興を遂げる”壁”のような高層ビル街。

ここ一帯の地域は、エルジアの海軍戦力が防衛を担当する。

水没したビルとビルの間に、数少ない残存戦力(潜水艦やピケット)を掻き集め隠す事で、奇襲を企図、または障害物を利用し沖の敵艦隊を狙い撃つなどして、戦力の数的不利を覆そうとした。

彼らは、連合軍の上陸部隊を喰い止めるべく、決死の抵抗を行うも、しかし両戦争を通してそれが実を結ぶ事は一度として無かった。

特に第一次では、彼らの抵抗虚しく連合軍は、高層ビル街の間を通る「第二都市高速」を用いて上陸を行っている。

第二次大陸戦争において、オーシア軍のヘルム隊が上陸艇から司令部に向けて進撃している。

 

余談だが、ここの高層ビル街は(水没地区はともかくとして)なぜか、両軍共になるべく戦闘区域にならない様に配慮し戦力の配置を避ける傾向にある。

一応、対空設備やAPCを数台構えたりしてはいるもののそれは小規模なものに過ぎない。

恐らくは、エルジアの国際的な金融セクター(ウォール街やシティ等、日本で言えば丸ノ内?)なのだろうと推測される。

もし仮に、ストレンジリアルでもグローバル金融社会が広がっていた場合、ここを無闇に破壊すると大陸中に影響が波及し、後々面倒なのである。

 ①が軍事行政の中心地ならば、この地区は経済の中心地なのかもしれない。

少なくともビジネス街ではあると思われる。

また、一時期ではあるがコゼット嬢含めエルジア王族が、王宮替わりとしてこれらの高層ビルの幾つかのフロアを使っていたという。

その後「さすがにビルん中に王宮あんのって風情が無いしマズくね」と考えたエルジア政府筋によって、大昔のエルジアを想起させるような歴史ある作りの王宮を郊外に設置し、王族もそちらに転居したらしい。

因みにその王宮「オーシアによくあるテーマパークとあんま変わらん(意訳)」と、エルジア市民に揶揄されていたりするようだ。

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ここで働く事が出来れば、キミもエルジアのエリートだ



 

・レイカークレイターと水没地区

「こちらタンゴ7、レイカークレイターを通過」

FREND.G Ace combat 04より

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イカークレイターと水没地区。

水没地区は、元々高層ビル街だったが、1999年7月8日、巨大隕石"ユリシーズ"の破片の衝撃によって甚大な被害を受ける。

元々弱かったこの地域の地盤一帯は地殻変動を引き起こされ、その海岸線は大きく水没した。

イカークレイターは海の中に出来たクレイターなので、侵食激しく、いずれは跡形も無く消え去るであろうと言われている。

04 では作中、幾度と無く様々な場所(山、森、砂漠など)にクレイターを見る事ができるが劇中で人口密集地に激突し多くの命を奪ったであろうと想像し得るクレイターは数少ない。

数少ない例として、主人公=メビウス1が属する国家、ノースポイント、ニューフィールドの"アンダーソンクレーター"が挙げられる。

要は、エルジアのレイカークレイターは主人公のアンダーソンクレーターに対応した立ち位置のクレーターなのかもしれない。

二つの争い合う勢力は元々はどちらも同じく被災者だったのだ。

 

 ちなみに余談だが、ここのクレーターの脇の水没地区のビル群には世をを棄てたヒッピーのような連中が不法入居しまくっている。

オーシアの侵攻を控えたエルジア軍は、ヘリ部隊を派遣して戦闘前に彼らを避難させていたという背景が存在する。

エルジア軍もなんとも難儀なものである。

 

⑤南部スプリング海沖

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エルジア艦隊に襲い掛かるオーシア空軍機。空海両面で熾烈な戦いが繰り広げられる。

 灯台戦争でのみ、舞台となったファーバンティの南に広がる海である。

 第一次大陸戦争では、エルジア海軍の主力たる"エイギル艦隊"は、連合軍の"ラフ・シーズ作戦"によって一隻残らず撃沈されてしまった。

よって、エルジアは連合軍の艦隊に抵抗する術を殆ど持っていなかった。

その為に、連合軍が完全に制海権を確保し、ここら一帯は連合軍艦艇が悠々と漂っているだけの場所であったのだ。

灯台戦争でもエルジア軍は、首都攻防戦に至る前にオーシア軍による"セイレーンの歌"作戦で艦隊戦力を大きく損耗している。

しかし、二隻の巡洋戦艦を中心とした艦隊を最後まで温存する事に成功。

よって水上戦闘群を編成し、オーシア海軍を相手取って最後の海戦を展開することができた。

が、最終的にはその艦隊すらも一隻残らざず叩き沈められ、海の藻屑となる。

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VLSからミサイルを射出するエルジア海軍の駆逐艦。オーシア空軍機は駆逐艦が危険を感じる程に低空接近している。



⑥北西部市街地区

高層ビル街の北西に広がる広大な市街地。

高層ビル街の、ベッドタウン的な役割も兼ねているのかもしれない。

何の変哲も無い住宅街なので語るべきことがない。

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住宅街からみた高層ビル街。いつかあそこで働きたいと願うエルジア国民を待っていたのは、長い通勤時間とパワハラだった。

 

 

 ・オレとファーバンティ

ファーバンティは、物語のクライマックスを司る、めちゃくちゃ盛り上がる場所であるのは、先も語ったと思う。

それ以上に重要なのは、ただの憎き侵略者だと思っていたエルジアが、大きな闇(彼らもまた被災者だった)を抱えていたことを垣間見る事が出来るという点である。

これによって、彼らの境遇に「初めて気付く」までは行かないまでも"確かな違和感を覚えさせられる"のだ。

しかも、劇中のブリーフィングや上司などが、それらについての詳しい経緯を語る事はない。

要は「それ知ったら気持ちよく敵殴れないじゃん」「知らない方がいいこともあるよ」「あっちが戦争仕掛けて来た理由なんてどうでもいい、お前はただ敵を堕とせばいい」って訳なのだ。

公式サイトを読んだり裏設定を掻き集めることで違和感の正体を知り、今までボコボコにしてきた敵国の開戦の理由を知り「あっちもあっちの事情で必死こいて戦ってきてたのか」と衝撃を受ける事になる。

ここには、「悪の枢軸、打倒エルジア」というプロパガンダに乗っかる「それ以外には何も知らないし、知る気もない」一人のISAF兵士を疑似体験する仕組みが確かに存在する。

そして、ゲームをプレイし終え裏設定を読み込むという「戦後」に至って初めて真実へと辿り着くのだ。

この仕組みの衝撃を文章で伝えるのはかなり難しいのだけども、とにかく、当時小学生だった自分にとってこれすげぇ革命的だったんすよ。

 

 

 

・ファーバンティとそれから

衝撃を受けたからと言って、やる事に変わりは無い。

今日もスコアを稼いで気持ちよくなる為に、PS2PS4を起動して、F-15activeやF-15Eもしくはロングレンジ部隊のF-15Cに乗って、ファーバンティへと飛んでいく。

抱えていくのは勿論、燃料気化爆弾もしくは自己鍛造弾。

今日もファーバンティは火の海と化しエルジア兵は必死の形相で埋め立て地に立て籠もる。

 

ファーバンティは燃えているのだ。

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参考文献

・AC04Web World「AC04の世界」

・キュービスト編 エースコンバット04 シャッタードスカイ パーフェクトガイド 2001年10月8日初版

・ACES at war