拝啓、ノースポイントより

エースコンバットを自由研究するブログ

国境無き陰謀論

3月25日はベルカ戦争開戦日だから、これにあわせたかったんだけども間に合わなかったぜ。

 

 

はじめに

今からすんげーどーでも良い話をする。

今後の作品展開の如何にしては、以下の区分が無意味になる可能性があるが、今はとにかく気にせずテキトーに語っていきたい。

突然だが「エースコンバット7」が発売するまで、エースコンバットシリーズ、ストレンジリアル世界には、大きく分けて「二つの事件を軸とした構造(以下、事件軸と仮称する)」がそれぞれ存在していた。

いや、実際に存在していたかどうかは知らんけど、とにかく俺はそう捉えていた。

二つの事件軸の根底には、二つの大きな「ゼロ」が存在する。

まず、一つ目の事件軸が「エースコンバット04(ゼロフォー) シャッタードスカイ」から始まり「エースコンバット6 解放への戦火」で終わる「巨大隕石ユリシーズ」をテーマとした作品群である。

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隕石災害とそれから生まれた戦災、そしてこれらから生じた奇怪な人殺しの遺産の数々が辿った顛末を描いた作品群である。

一応、これらの一連の災いは、オーシアのアークバードによるユリシーズの破片に対する軌道上清掃と、最後の遺産たる「シャンデリア」の崩壊によって完全に解決したようだ。

 

そして二つ目が「エースコンバットゼロ ザ・ベルカン・ウォー」からはじまり「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」で終わる「ベルカの憎しみ」をテーマとした作品群だ。

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一応、ベルカ人の「愛国精神と国際社会(というか主にオーシア)への憎しみの物語」は、敗戦を経験した世代の過激派たち、つまり「灰色の男たち*1が死亡し、計画が失敗した時点で終了したようだ。

その証拠として、彼らに続く世代であるジョルジュやシュローデルといった人物たちは、今までの典型的なベルカ人とは異なり、「ベルカ万歳!」とか叫びなら暗躍する様な危険人物では決して無い。

ゲーム中では、彼らは極めて真面目に一生懸命働く個人として描かれて*2おり、後のシリーズにおいて、もっとヤバいベルカ人が明確な悪意の元に暴れ回らない限り、これらのベルカの憎しみの物語は終わったモノと捉えても良さそうではある。

これら二つの作品群は今まで、余り大きく関わりあうことなく、ゲーム中チラホラとそれっぽい要素や単語が出てくるくらいで、はっきり言って物語に深い繋がりなどはあってないようなものであった。

しかし、今回晴れてエースコンバット「7」が発売されたことで、これらの二つの作品群が遂に大きく繋がったわけなのだ。

これはどういう事なのかと説明していきたい。

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ストレンジリアルと国家観

まず、ストレンジリアルの歴史は、時系列的には、「エースコンバット・ゼロ」からはじまり「04」「5」「6」「7」と続き、最終的には「3」のゴールを目指す構成となっている。

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このストレンジリアルの歴史とは、端的に言い表すのであれば「国家主義的思想が廃れていくその過程」そのものの歴史でもある。

これは、「ZERO」に登場したカルト集団「国境無き世界」が願った世界そのままの出来事でもある*3

「時系列的には全てのゼロ*4」である「ゼロ」では、「国境無き世界」と呼ばれるカルト集団や、片羽の妖精こと「ピクシー」をはじめとして、どいつもこいつも「国境なんかいらん!」「国なんていらねぇ!」「国境が俺達に何をくれたよ!」などと、国を呪う様な発言を多数行なっている。

「7」でも「ミハイ・ア・シラージ」とか言うオッサンが「国とは何だ?君達は空から国境を見たことがあるのかね?」と似たような疑問を投げかけている。

どうやらエスコンシリーズというか、ストレンジリアルでは「国とはなにか?」と言う発言が重要なテーマとして語られているっぽいようなのだ。

ストレンジリアルのゴールである「3」においては、もはや国家がその意義やチカラを失いそうな時代に入っており、そこでは、国家が戦争を主導する事が出来なくなるくらいには、国という組織そのものが求心力を失ってしまってもいる。

「3」に最も近い「7」でも、大国同士の国家間戦争が描かれていたが、両国共に汚いやり方で戦争を無理やり遂行しようとしたり、両国の首脳部は国民を扇動するのに色々と苦労してるようなフシが見られた。

また、懲罰部隊が牢の中で母国の文句を言いづけたり、そのほかにも前線の兵達は国家と一体化して戦争に臨めている訳では無さそうな描写も見られた*5

軍事指導部と民では明らかに意識の剥離が見られたのだ。

つまりは、既に2019年段階で「国」の持つ最小限の役割であるはずの「軍事」と「司法*6」のうちの軍事には少しずつ揺らぎが生じ始めているのだ。

また、エスコンシリーズの正史では「6」という例外を除き、主人公が「御国の為に」を動機として最後まで戦った戦争は、実はかなり少なかったりする*7

これらから、エスコンシリーズが志向しているのは「国家なき世界」とか国境無き世界であるともいえよう。

歴代エスコンで危険思想に目覚めて暗躍した数々のパイロット達の意見を先取りするのあれば、「空」から地面を見ても国境なんか見えはしないし、空には国や民族を分け隔てるモノなんてのは無いというのが、ポエミーだがそれっぽい見解だと言える。

地上は、争いや虐殺など、醜い「ナニカ」で常にいっぱいなのだが、空中には(地上で何かが発生してそれが影響しない限りは)「それ」らが無い。

「それを見なくて良いから空は楽だぜ」とカウントも語っていた。

ピクシーが空の上で突如危険思想に目覚めたり、ミハイがあの歳になってまで"空の上に引き篭もろうとする"のもそこら辺に理由がありそうなのだが、果たしてどうなのだろうか。

 

 

国境無き世界はユージアに波及する

今作「7」において、世界に混乱をもたらす傍迷惑民族ベルカ人の影響力が、ユージア大陸に波及している事が判明した。

また、ベルカ人と毎回セットになって世界に戦火を振りまいている国家オーシアの手勢までもが、ユージア大陸に大量にやって来てしまった。

今作の灯台戦争は、「IUN」vs「エルジア」のISEV支配権を巡った戦争だと言うのが表向きの解釈ではあるし、いわば「巨大隕石ユリシーズ(「04」「6」)」における事件軸視点に立って見ればそれが全てとも言える。

しかし「ベルカの憎しみ(「5」「ZERO」)」をテーマとした事件軸視点に立って見れば、「灯台戦争」はまた別の側面を持った戦争として見えてくるだろう。

灯台戦争とは、「IUN」と「エルジアの無人機」すなわち、局所的に見ればユージア大陸で行われたオーシアとベルカによる一種の代理戦争とも言えるのだ。

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そもそも「ZERO」から始まるストレンジリアルの空戦の歴史は、1907年のオーシア戦争において、ベルカ人がレシプロ航空機による爆撃攻撃を考案した出来事こそが起点となって始まっている。

以後ストレンジリアルでは、航空機が戦争に重用される様になり、それが2040年まで続いている。

つまり、ストレンジリアルにおける近代戦闘の原点は、実はオーシアとベルカにこそあるのだ。

そこから、長きにわたってオーシアとベルカの両国民は争いは続いており、2010年で環太平洋戦争ベルカ事変として一つのピークを迎えた。

そしてそれは2019年、本灯台戦争持ってして遂にユージア大陸にまで波及する。

オーシア大陸のみで繰り広げられていた、この一連の諍いが、海の向こうの大陸を舞台とする結果となった。

つまり、2019年においてはユージア大陸までもが「ベルカとオーシアの長きに渡る因縁の戦い」という構造の1つのパーツとして組み込まれてしまったとも言えよう。

これは前項で述べた、オーシアとベルカが発端となった「国家主義的思想が廃れていくその過程」に、この先ユージア大陸もが蝕まれていく事を暗示しており、実際にそれは2019年には「成っている」。

「国境無き世界」なるカルト集団が打ち出した幾つかの信条や教義のうちの「国や国境を消し去る」は、45年という長い歳月を経て、オーシア大陸から時代も距離も遠く離れた2040年のユージアの地の上で結実したのだった。

 

 

彼らの理想は叶ったか

「国境無き世界」は、敗戦国の領土を切り分ける戦勝国たちの醜いパイの奪い合いや、国と国とが繰り広げる欲と欲のぶつかり合いに反発した。

彼らはそのため、国家を消し去るべく暗躍を開始、組織が1995年12月31日においてトドメを刺されるまで、世界に向けての勝負をしかけている。

彼らの野望や目論見は、核兵器「V2」の破壊によって一度は阻止されたものの、彼らの潰えたはずの意志やある種の呪いは、時間をかけて少しずつ国家を蝕んで消していったようだ*8

2030年代〜2040年代に移行するストレンジリアルにおいて、国家は戦争を主導できるほどの権力を持ち得なくなりつつあり、国家間同士の戦争はその数を大きく減らしていった。また、これに付随して国家数そのものも減っていった。

どうやら件の「次の世代」は、局所的に見れば、「国境無き世界」の望み通りに社会を進めているようであり「彼ら」は草葉の陰からさぞかし大喜びだったに違いない。

思想的には彼らと通ずるタブロイドの言葉を借りれば「クソみたいな戦争があるのは何故か。それは国があるせいだ。」という彼らの持論は、日々を通して証明されていたと言える。表面上では。

この時の人々は、国家が主導する戦争からは解放され、少しずつ平和に近づきつつあるような錯覚を憶えていたのだ。

しかし、2040年のユージア大陸を舞台とした「プロジェクトネモ」におけるシミュレーションによれば、フェイスパーク地方においてゼネラルリソースとUPEOによる武力衝突を発端として「企業間戦争」が開戦し、その戦火はユージア大陸ほぼ全土へと広がるとされている。

要は、国家に変わって権力を握った組織である「企業」によって、結局は戦争は行われていくのだ*9

彼らアナーキスト達の思想は、一応は国家に対しての局所的な勝利を得ただろう。

しかし、彼らがあれほどまでに憎んだ「醜いパイの奪い合い」と称される行為は、形を変えて今後も発生するだろうし、有史以来人々と在り続けた「欲と欲のぶつかり合い」は今後もずっと続いていく*10

彼らは真の望みを叶える事もなく、ただその憎しみの対象だけを喪い、思想そのものが成り立たなくなって最後には意志さえも意味もなく消え去るのだ。

以降、ストレンジリアルは「パイの奪い合い」や「欲のぶつかり合い」や「クソみたいな戦争」は、「別に国家があるから故に生じている訳では無い」という事を、その歴史を持って証明していく。

争いは、国や国境が引き起こすわけではない。

ヒトの存在こそが原因なのである。

 

余談

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「国境無き世界」の真の首謀者と目される「アントン・カプチェンコ」の遺体は、彼の元部下たちによってベルカ公国の公立墓地に埋葬がなされた。

彼の野望は1995年「国境無き男たち」が壊滅してしまった時点で挫かれ、その思想も2040年には敗北する事が決まっており、つまり、彼は物理的にも思想的にも時代に敗北してしまった人間とも言える。

しかし、彼の部下たちがその墓に刻んだ意味深な文章は、今でもストレンジリアルの将来に対して暗い影を落とし続けている。

新しい世界への門は開かれた 我が魂は風となり その門へといざなう

眠りし王の目覚めるとき 私の肉体も蘇るだろう 

これはある種の"呪い"である。

灯台戦争では、ベルカ人の技術による無人機、そこかしこで登場する「ノースオーシア・グランダーI.G.(元南ベルカ国営兵器産業廠)」の文字、EASAのノースオーシアグランダー社の開発機材、ADFシリーズ戦闘機における「Z.O.E.(ノースオーシアグランダーの戦闘A.I.)」などなど、ベルカの影がチラつく怪しげな箇所は幾つか存在する。

また、これはツイッターや5chなどで指摘されていた事柄だが、戦争序盤におけるオーシア元大統領ハーリングの抹殺についてもベルカの影があると言われる。

ハーリングは、灯台戦争の翌年、2020年の環太平洋戦争の全情報開示を宣言している。

もともと環太平洋戦争は、ベルカ人の巨大な陰謀によって巻き起こされた戦争であり、この事件は、紛れも無くベルカ人こそが諸悪の根源だったのだ。

この情報開示により、ただでさえ世界からの嫌われ者であるベルカ人が、更に国際社会から敬遠、もっと言えばますます迫害される可能性があった。

つまり、それを恐れたベルカ人が、それの口封じを目的として件のオーシア元大統領を殺害したという可能性があるという事である*11

以上から、灯台戦争におけるベルカ人の暗躍は、最早、陰謀論だ、気のせいだ、などと言える様なものでも無いように考えられる。

確信犯的に行われている可能性が、どうしても否めないのだ。

「眠りし王」が何を示しているか、現状ではハッキリ言ってサッパリ(思い付くアレコレはあるが、どれも決め手に欠けている気がする)ではあるが、しかし、ベルカ人が何がしかを企んでおり、それによって将来ロクな事が起こらないと言うのは想像に難くは無いだろう。

また、「ACES at WAR」曰く、ベルカがエルジアに散々撒き散らしてきた無人機群とは、元々は「敗戦したベルカ」が「国内の兵力不足を補う」と言う目的で研究を続けてきたものだった。

これを加味すると(今後のストレンジリアルの歴史の動向如何によっては)灯台戦争自体が無人機による一種の実地演習の場であった、という新たな一側面も見えてくるであろう。

実際に、無人機は多数のオーシア人を圧倒しているなど、同戦争は無人機を晴れて「使える」道具であると、その有用性を大いに証明するのに役立った。

その様な意味であれば、本戦争はその意義を大きく果たしたとも言えよう。

仮にそうだとした場合、過去の栄光をただひたすらに懐古し、世界への影響力を取り戻そうと無謀にも開戦し、その結果、敗戦して国を割ってバラバラになってしまった「エルジア」は正真正銘のピエロであるとも言えるけれど。

これらを用いて彼らベルカ人は一体何をしようと考えているか、そして何を成すのか、そもそも成す気があるのか、その一切が現段階では不明ではあるが、しかし今後においてベルカ人が国際社会、ひいてはオーシアに対して、もう一度戦いを臨む為の材料自体は揃いつつあると言える。

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ベルカによる復讐の日は近い。

*1:母国ベルカを破壊した戦勝国筆頭二大国を討ち滅ぼさんと暗躍したベルカ人のカルト集団。テロリスト。「5」はオーシアの影の兵士達と、世界を裏で操る灰色の男達との戦いを描いた作品でもある。一説によれば、後述される「国境無き世界」と呼ばれる組織は、本命たるこの「灰色の男たち」の活動を隠す為の陽動であったともされる。つまり「国境<灰色」という主従関係があったと大昔の2chにおいて指摘されていた。しかし、2040年の視点から見ると、愛国精神によって動いていた「灰色の男たち」は思想的には古いものになってしまっていて、無政府主義者である「国境無き世界」が最終的な思想的な勝者となった様にも捉えられる。時代の流れの中で、主従関係の逆転現象が起こったようだ。

*2:しかし、トリガーからするとコイツらベルカ人がやらかしてきたことはその全てが迷惑極まりなく、そのせいでゲーム全編を通してトリガーはロクな目に遭って来ては無い。

*3:正確に言うと、彼らは国家や国境破壊と共に、核攻撃による各国の文明レベルでの退化を企んでいた。しかしその根源にあるのは「醜いパイの奪い合い」を失くす事、その原因である「世界から国家を失くす事」にある。気付けば本来の手段であった「文明の退化」が目的の一つになってしまっているが、彼らの本来の望みは文明破壊がメインでは無い筈である。本エントリーでは「国境無き世界」の目的を「世界から国家国境を失くす」という原点に立ち返って論を展開していく。

*4:エースコンバット04」はエスコンシリーズの新しいスタートなんだよ!という意味でわざわざ「ゼロ・フォー」になっている。「ストレンジリアル」ワールドのプロトタイプは「2」だが、明確にストレンジリアルの呼称が用いられたのは「04」からである。しかし、近年、リリース順では「04」より古い、先に発売された「3」こそストレンジリアルの最終到達点つまり正史!と、明確にストレンジリアルに組み込まれる旨の発言が公式から成された。さらに時系列的な出発点として、もっと古い時代の物語「エースコンバットゼロ」がリリースされているので「エースコンバット04の0てなぁに?」という質問に対し、日増しに明確な回答を行うのが難しくなっていっているというのが正直な答えだったりする。これについて、昔々、"自称"エスコン研究者()として非常に苦悩していた時期があった。早い話、現状では「ゼロフォーのゼロは開発スタッフの決意表明のゼロ」という意味合いでは無いかと考えてはいるが、その真の答えとは河野氏曰く「なんとなくおさまりがいい」ただこれであった。

*5:またIUN-PKFに所属する(していた)ノッカーやハイローラーなどの職業軍人は、戦争行為そのものを時折「ビジネス」と表現している。これまでの時代における郷土や家族を守る英雄的献身的行為とは違う、戦争のドライな表現方法と言える。そもそもISEV争奪戦そのものは、彼ら職業軍人たちの本国や家族の生命や利益に繋がらないからそうなるのも仕方ないが、これについては現場は比較的冷めた目線で戦争へと臨んでいたとも取れる。

*6:実は2040年代においてはこの「司法」すらも、企業に敗北して力を失っている。「3」のデータスワロー内のニュースにて一部言及が成されていた。人々は国に対して「小さな政府」としての役割を遂行する事すらも望んでいやしないらしい。どうやら2040年代の人々にとって国家とは完全にいらない子状態になってしまった模様である。

*7:明確に主人公達が動機を語ってきた訳ではないが、まず「ゼロ」では傭兵として個人主義的なものだと考えられる。「04」では大陸の平和またはISAFの勝利という超国家主義的なものである。あるいは、途中からは「黄色の13を超える」という個人的なものかもしれない。少なくとも、サイファーもメビウスも御国の為に戦った訳では無いだろう。「5」や「7」においては、モブ兵士は、場所によっては「オーシア!オーシア!」てな感じで愛国心全開だが、ウォードッグもスペア隊も、常に国や軍隊への文句をブーたれ、絶妙に水を差してくるが為に、モブ兵士と比べると冷めた視点で戦争に望まざるを得ない。さらには話の都合上、主人公は最終的には絶対に国家間の枠組みを越えさせられてしまうという、超国家主義的な理由で最後の戦いに赴かざるを得なくなる。個人主義あるいは、超国家主義的思想に則って戦った上記の作品達に対して、最後まで「国や郷土愛」を動機として「国家主義的思想」で戦える「6」はとても珍しく貴重な作品でもあり、エスコンにおいてはマイノリティーとも言える。仮に次回作が出るのであれば、あと一回くらいは正史のストレンジリアル作品でも「国や郷土愛」を明確な動機として戦える作品が出て来てもおかしくは無いかもしれない。ただ、リミットの2040年まで殆ど時間が残されていない為、それがストレンジリアル最後の国家が主導した大規模戦争になる可能性がある。まあよくは知らんけど。ちなみに「x」もスタンスは同じだが、正史には組み込まれていないらしく、公式やACES at Warの年表からは明確に外されてしまっているために今回は勘定から外している。

*8:単純に国家が無くなって行くのが時代のトレンドだっただけ、とも言えるけれども。

*9:「3」で展開された出来事は、一応は電脳世界におけるシミュレーションであるために、「本当」のストレンジリアルで何が起こっていくのかは「現段階では」実は未知数でもあるのだが。

*10:実際、国家間の戦争が減っていた筈の2030年代においても、ゼネラルリソースとUPEOによる不毛な軍拡競争や目には見えない争いは際限なく続いていた。

*11:奇しくも実際にハーリングを殺害したのは、エルジア外国人部隊のベルカ人との事だった。ただし、彼自身はベルカ陰謀論に噛んでいる様な思想を持つ人間には見えない。