拝啓、ノースポイントより

エースコンバットを自由研究するブログ

私事

9月から11月にかけて資格試験が多発しており、色々と立て込んでいるので、少なくとも潜水艦のアレか9月までは、しばらくは更新を停止致す次第。

 

あと、フリカメmodが羨まし過ぎてゲーミングPC購入を考案しているんだが、アレって15万ありゃ程々のものは買えるのであろうか。

 

ノースポイント国際空港にやってきた

f:id:standardsalvo:20190727161326j:image

2019年7月27日、ユージア大陸ではオーシアvsエルジアの激戦が繰り広げられている。

そんな中、激戦続きのユージア大陸を抜け出して、俺はとある理由で、ノースポイント(羽田)空港国際線ターミナルへとやってきたのだった。

実は本日、ノースポイント(羽田)空港国際線ターミナルには、何十何百という歴戦のエースパイロットが集っているという。

さらに噂によれば、第一次大陸戦を駆け抜けたエースパイロットや、環太平洋戦争を生き抜いたエースパイロット、ベルカ戦争にて撃墜王として名を馳せた鬼神の如きエースパイロット、エ・エ戦争を勝利へと導いたエースパイロットまでもが多数紛れ込んでいるという話らしい。

f:id:standardsalvo:20190727141036j:image

つまり、この空港は歴代の大戦争を生き抜いた魑魅魍魎が跋扈する恐ろしい場となっているのである。

今回は、そのげにおそろしきエースパイロット達の間をすり抜け、このノースポイント(羽田)空港国際線ターミナルの取材をしていこうと思う。

いや、下らない話なんだけども、16:00開演の後発組にも関わらず、早く来過ぎてしまったので暇で暇で仕方なさ過ぎてこんな事をやっているのだ。

恐らく、現在進行形で13:00からの先発組は、エスコンシンフォニーの名曲の数々を大いに楽しんでいると思われる。

本エントリーは完全に、思い付きというか行き当たりバッタリのテキトーなアレなので、気分が乗り次第順次追記修正をしていく次第である。

もし、よろしければお付き合い願いたい。

 

 

TIAT SKY HALL

f:id:standardsalvo:20190727142720j:image

14:xx、取り敢えず大量のトリガーが集うとされている会場にやってきた。

16:00組の入場はまだであるが、物販コーナー(そんなものは無い)にてエスコンジャケットをいち早く入手できるのではないかと考えての強行突撃である。

 

しかしながら、係員さん達に「早めに入場できたりってしませんか?」と聞いたところ「あ〜、入場30分前だから無理ですね〜」と進撃をやんわりと阻止されてしまった。

作戦は見事に失敗である。

ちなみに恐ろしい事にこの係員、全員が全員、背中に罪線を「三本」も背負う札付きのヤヴァい係員さんであった。

一体彼らがオーシア本国にて何を成したのかは不明であるが、三本線の係員が数人揃っているとは只事ではない。

444航空基地でも、三本線は精々一人であった。

恐らく歴戦のエースパイロット達が集うこの地において、彼らを抑えうるには三本線程の罪線も背負うツワモノでかければ抑えられないという所なのだろうか。

とにかく、歴戦のスペア隊係員が揃う会場に一人突撃を敢行したとしても、どう考えても勝ち目がないので、ここは一時撤退を決め込む事とした。

ちなみに後に知ったのだが今回のシンフォニー、どうやら物販は無いとの事で、スペア隊ジャケットが手に入るのはもっと後になりそうである。

お財布握りしめて待っていたのだが、更にもうちょっと待つ事になりそうだ。

 

開演

16:00間も無く開演である。

また、この過程の中、ドサクサに紛れて河野氏からサインまで貰ってしまった。

「次回作を絶対買います!!」などと言ってしまった。

ちなみに、これらのパッケージは家宝にしていく次第である。

f:id:standardsalvo:20190727153624j:image

ついにエスコンシンフォニー開演である。

取り敢えず、5、7の名曲を聞きまくれる事を楽しみにしている。

エスコンシンフォニーが来る

エスコンとは航空機を駆るカッチョ良さ、シンプルで痛快なゲームシステム、無線会話による物語、そしてそれらを盛り上げる演出が組み合わさっている、なんかいい感じのナイスなゲームである。

 

そしてその中でも、それら全てを支える要素こそがシリーズ最大のウリの一つであるナイスなBGMなのだ。

これらのナイスな楽曲達無くしてはエスコンの魅力なんてものは語れない。

どんなミッションにも心に残る名曲の存在があったし、これらの楽曲が無線会話や、演出、そして空戦の数々を大いに彩っていた。

本ゲームのファンにとってミッションをプレイしながら「エスコンの曲ええなあ」と感じた経験は一度や二度程度では済まないだろう。

シリーズファンにとっては、本シリーズにおける楽曲(エースサウンド)がどれほど大事なのかについては、正直今更言うまでも無い事でもあるのだ。

とにかくエスコンにとって、BGMはなくてはならない存在なのである。

エスコンにとってBGMとは、切っても切り離せないものなのだ。

 

 

そんな名曲の数々が、2019年7月27日、エスコンシンフォニーで披露されるとのことだった。

 

 

プログラム自体は明かされていないから、歴代エスコン綺羅星の如く輝く名曲の数々のうちから、一体どの曲が選ばれ、そして披露されるかは現時点で不明である。

ただ、例えば「The Libertetion of Gracemeria」や「ZERO」や「First flight」、「The unsung war」や「Faithless solider」と言った、シリーズのPVを彩ってきた名曲たちは、なんとなくプログラムに入っているのではないだろうかと思われる*1

ただ、まず間違いなく「7」の看板曲である「Faithless solider」は演奏されることであろう。

テンションがブチ上がるのは間違い無いと思われる。

 

 

兎にも角にも、エスコンシンフォニーは遂に今日となった。

どんな曲が演奏されるのか、開演するまでは、どんな演目になるのかについて、色々と予想しながら楽しみに待っていたい。

 

 

 

 

 

*1:個人的にはそのノリで、「04」のPVで流れていた「Invincible Fleet」なんかも演目に入っていて欲しいと思うが、どうなんだろうか。いや、あの曲個人的に思い入れがめちゃくちゃ深くてめっさ好きなんすよ。

エルジアの潜水艦を発見

 

近日、何やら、DLCで新ミッションが来るらしい旨のトレーラーが配信された。

正直、どの様なミッションが展開されるかは、現状ではサッパリわからないが、トレーラーだけでもいくつかの予想もしくは想像ができそうである。

「ACE COMBAT(TM) 7: SKIES UNKNOWN」OPERATION SIGHTHOUND - YouTube

 

 

前回のシーズンパストレーラーも、もしかしたら関連性があるかもしれないので参考にされたし。

「ACE COMBAT(TM) 7: SKIES UNKNOWN」シーズンパス ティザートレーラー - YouTube

 

 

てな訳で、今回は疑惑と謎に満ち溢れた、DLC第四弾について、できる範囲で考えていきたい。

 

 

はじめに

f:id:standardsalvo:20190718175350j:image

DLC第一弾から第三弾までは架空機の追加であった。

そして、次期のDLC、第四弾で追加されるのはミッションである。

てっきり、ハッシュ作戦後のエピローグを描くものだとばかり考えていたのだが、どうやら灯台戦争内での出来事が描かれるらしい。

ちなみにDLC第四段で描かれるミッションの名前は「Liberted」らしい。 

f:id:standardsalvo:20190718131340j:image

字ヅラだけを見て「また解放作戦か!」と考えたのだが、恐らく今回の場合は意味が違っていると思われる。

過去形なので、どっちかというと、占領された都市を解放しにいくとかいう作戦では無く、ニュアンス的には、なんか"ヤベェモンが解き放たれた"的な意味合いの方かと思われる。

あまり嬉しくない方の解放なのかもしれない。

 

何やら良からぬ事が起きそうである。

 

で、何が解き放たれる/たんだ、という話なのだが。

f:id:standardsalvo:20190718003106j:image

恐らくその鍵を握るのが、なんかジンベイザメみたいな、やたらデカくて強そうなコイツだ。

恐らく、解放される事となる"ナニガシ"を腹に納めていると思われる疑惑の潜水艦である。

トリガーのうちの何人かは、大昔に、コイツに良く似た潜水艦が放っためんどくさい散弾ミサイルを全身に浴びて爆死するという経験をするか、もしくは、コイツに良く似た潜水艦が死に際に放った、しゃらくさい弾道ミサイルを撃ち落としきれずに、高層ビル群が炎上していく映像を見せつけられたものもいるのかもしれない。

いずれにせよ、エスコンに潜水艦が絡むとロクでも無い事が生じる可能性が高いのは確かだ。

 

やはり、何やら良からぬ事が起きそうである。

 

 

 

2019年9月の灯台戦争

サイトハウンド作戦について考える前に、まずは同作戦が展開されたであろう、背景について考えていきたい。

まず、2019年9月4日というのは、エルジアがSLBMによるオーシアへの反撃を企てようとしていた時期である。

エルジアが虎の子の二機のアーセナルバードのうちの一機を失って、それによって優勢だった戦局が劣勢へと変わったのも、この2019年8〜9月だ。

f:id:standardsalvo:20190718091829j:image

長らく前線が停滞しきっていた、灯台戦争の淀んだ流れに変化が生じ始める時期である。

エルジアの大艦隊"ニョルド"による、大陸南部へのオーシア駐屯地への攻撃作戦や、IRBMによるオーシア駐屯地(何処が目標かは不明)への直接攻撃を企図したのも、この期間の出来事だ。

f:id:standardsalvo:20190718174940j:image

振り返ってみれば、この時期は同戦争最大にして、最後の分水嶺でもあり、そして両陣営にとっても大きな山場であったのは間違いない。

この時期においてエルジアが実行しようとしていた一連の作戦は、オーシア側にとってはどれもが致命的な内容となっている。

これらの内のいずれかが成功していれば、エルジアは戦争に勝利する可能性すらあった。

これらの反撃策が成功裏に終わり、オーシア側に大打撃を与える事ができれば、またしても戦線は拮抗する事に繋がっていったのかもしれない。

前線が停滞し、長期戦になれば、エルジアにとって有利な状況が再来する事となる。

既にISEVを掌握し、目標の一部を達成してしまっているエルジアは、これで逃げ切ることさえできれば、そのまま戦争に勝利できるのだ。

このサイトハウンド作戦で描かれるのも、恐らくはエルジアによる、オーシアへと傾き始めた状況を戻そうとする為の、起死回生の作戦の一つなのだろうと思われる。

 

とはいえ、あの潜水艦が一体どの様な手段を持ってして、戦局を変えようと企んでいるのかは正直不明である。

あの潜水艦は何をしようと言うのだろうか。

あの潜水艦は戦況を変えるに値する"何か"を持っているのだろうか。

そもそも、一体"何"を"解き放つ"と言うのだろうか。

f:id:standardsalvo:20190718010818j:image

とにかく謎だらけである。疑問は尽きない。

 

 

 

サイトハウンド作戦(Operation:Sight Hound)

サイトハウンド作戦(Opration:Sight hound)は、オーシア軍が2019年9月4日に実施したとされている、件の巨大潜水艦を巡っての作戦である。

潜水艦を擁する施設周辺における、赤褐色の土の色から、場所は恐らくユージア大陸南部海岸のどこかだろうと思われる。f:id:standardsalvo:20190717213039j:image

このサイトハウンド作戦の由来は、恐らく狩猟犬のサイトハウンドであろう。

狩猟犬には、臭い主体で獲物を追うセントハウンドと、視覚を用いて獲物を追う、サイトハウンドの二種類があって、後者のサイトハウンドは、獲物をその優れた視力と走力を持ってして、とっ捕まえるというものである。

つまり早い話、サイトハウンド作戦(以下、サイトハウンド)で展開される内容というのは、本作戦に参加する事となるオーシア空軍の戦闘機を猟犬に見立て、デカい獲物に対しての大捕物を行おうというものなのだと考えられる。

まあ、やるのは多分、いつも通りにロックオンしてミサイルをブチ込んで、潜水艦をやっつけようという話であるだろう。

恐らく、やる事はいつもとあまり変わらないと思われる。

f:id:standardsalvo:20190718102713j:image

ただ、サイトハウンドに動員されている海軍戦力*1は、敵首都であるファーバンティを攻略する為に動員された戦力とほぼ同規模のものである。

これだけを見ても、オーシア側がこの潜水艦をかなりの脅威として感じ取っている事を察する事ができる。これらから、サイトハウンドの重要性の高さをなんとなく伺いしれるかもしれない。

また動員戦力の中には、空軍から、LRSSG、ストライダー隊も含まれている。

9月2日にソーティーがあったばかりなのに、その2日後に出撃と、やけにハードなスケジュールが組まれているらしい。

これからも、緊急性がかなり高い、どうやらただ事では無いことが生じているらしい事を読み取る事が出来る。

9月4日におけるユージア大陸では、それほどまでに切迫した事件が生じていたのだ。

 

 

 

エルジアの潜水艦

f:id:standardsalvo:20190718133136j:image

本作戦の鍵を握るとされる巨大潜水艦。

なんとなくだが、歴代エスコンに現れた幾つかの潜水艦を思い出させられる。

最初に思い浮かぶのは、弾道ミサイル搭載の原子力潜水艦「ドラゴネット級戦略原潜」だ。

ドラゴネット級戦略原潜とは、FCUがかつて保有していたとされる、弾道ミサイルを搭載し運用する原子力潜水艦である*2

1900年代後半、同艦はユージア大陸でのクーデター騒ぎにおいて、クーデター軍に強奪或いはクーデター軍に寝返っており、大陸北東部の都市、セントアークへと弾道ミサイル攻撃を行っていた*3

ところで、この潜水艦は飛行甲板を有しているのだがドラゴネットは飛行甲板を有してはいない。

その他にも、セイルや船型など幾つかの点で差異が見受けられるので、彼女がそのままドラゴネット級戦略原潜という訳では無いと思われる。

また仮に、本艦がFCU保有の兵器であり、またしてもエルジアに強奪されていたとするならば、FCUのエルジアにしてやられた歴史に新たなるページが刻まれてしまう事となる。

二度あることは三度あるとも言うが、それでは余りにもFCUが間抜けすぎる気もするから、例の潜水艦がFCUのものでない事を祈りたい。

 

次に思い浮かぶのは、ユークトバニアが環太平洋戦争でブイブイ言わせていた「シンファクシ級潜水空母」である。

この潜水艦はユーク海軍戦略の機関を無し、UAVあるいはVTOL機、SAM、AAGUNなどと、ハリネズミの様に様々な武装保有しており、潜水艦の癖して浮上している状況でも普通に強い。

また、特殊弾頭を搭載した弾道ミサイル、通称散弾ミサイルを用いて、オーシア海軍の空母を多数海の藻屑へと変えるなどの多くの戦果を挙げていた。

ちなみに例の潜水艦は、見た目も雰囲気もシンファクシ級潜水空母にそっくりだ。

例の潜水艦はシンファクシの系譜に連なる存在なのではないだろうか。

ところで仮にもし、例の潜水艦が元はユークトバニア(以下、ユーク)によるもので、灯台戦争にエルジアに供与あるいは販売された兵器であるとすれば、ユージア大陸における政治ゲームは更にめんど臭いことになる。

何故なら、例の潜水艦が仮にユーク製だった場合、ユークは既に、2019年かそれより前から、ユージア大陸の支配権争いに対しての布石を打っていた事になるからだ。

ユークは灯台戦争終戦後には、ISEVが掲げる新体制(コスモ・ポリタリズム)に対しての物資投下による支援活動を行っているが、これが善意によるものなのか、また別の意思持って行なっているものなのかは現時点では不明であり*4、その真意は読めない。

オーシアが多大なる労力を投じ、

正直、灯台戦争に関係する国がこれ以上増えるとやたら複雑になられて非常にめんどくさい事になるので、ユークには出来れば灯台戦争には介在しないで頂きたい、と考えていたりする。

また、例の潜水艦はシンファクシとの類似点はかなり多くはあるが、艦型が異なっていたりVLSの位置が違うなど、細かな点で差異が存在する。

ジンベエザメの様な平たい見た目と言い、かなりシンファクシに似ている面あると思ったのだが、やはり彼女がそのままシンファクシ級という訳でもなさそうだ。

 

今まで古い潜水艦ばかり見てきたのだが、最後に考えられるのが、例の潜水艦が全く新しいクラスの潜水艦という説である。

というか、これが一番あり得そうな線であるような気がする。

前項の二隻のうちのどちらか、或いは両艦の流れを汲んで拡大発展した、新型の弾道ミサイル搭載型の原子力潜水艦なのだと考えられる*5

例の潜水艦をエルジアが灯台戦争開戦前からせっせと秘密裏に作っていた場合、UAVにしろこの潜水艦にしろ、IUNの平和維持活動や国際社会の監視体制のガバガバさが際立つ事になってしまう。

例の潜水艦の出自には、何がしかの"遊び"があるのかもしらない。

 

いずれにせよこの潜水艦が、シンファクシ級だろうがドラゴネット級だろうがそれらの派生であろうが全く別ものなのだろうが、エルジアが望むのは、憎っくきオーシアに対してやりたいことはただ一つであろう。

なんかヤバいサムシングをオーシア軍目掛けてぶち込むただコレだけなのである。

f:id:standardsalvo:20190718164426j:image

 

 

エルジア潜水艦、その最後の出航は、準備が出来次第はじまろうとしている。

 

 

とは言え、本DLCは戦争の中期における出来事を語るというものだから、灯台戦争の結末には何ら関与しないと思われる。

f:id:standardsalvo:20190718170209j:image

恐らくこの潜水艦騒ぎは、実はそこまで大した問題にはならないのかもしれない。

 

 

まとめ

f:id:standardsalvo:20190718175023j:image

灯台戦争中期において、物騒な潜水艦が何やら物騒なことを考えているらしい事が判明した。

また、エルジア潜水艦に乗っている艦長は、どうやら只者では無い、とんでもない悪党であるとの噂らしく、どんな悪党が出てくるのかちょっと楽しみであったりする。

 

今後、エスコンのミッションに追加DLCが来ることによって、謎だらけの灯台戦争にもいくつかの解答が得られるだろう。

DLC追加は秋らしいから、恐らく9月か10月まで待てば追加されると思われる。

気長に続報を待って行きたい。

 

 

 

f:id:standardsalvo:20190718180737j:image

DLC第5弾では(第4弾でも良いが)『1000万人救済計画』について触れられる事を期待したい。

 

*1:ところでよく考えてみると、同戦争においてIUN-PKFのオーシア海軍は何をやっていたんだか色々と謎に包まれている。本戦争において彼らの課題とは、オーシア本土からの海上輸送ルートの確立もしくは、ISEVシステムを基盤から突き崩すというものだったと思われる。そしてこれらの目的を同時に果たす事が出来るのがいわゆる「タイラー島奪還作戦」なのである。つまり、灯台戦争においてオーシア(IUN-PKF)海軍が果たさなければならなかった最大の目的とはタイラー島奪還であった可能性が高い。ところで彼らや海兵隊(陸軍?)が経験したとされるタイラー島上陸作戦は、エルジア空軍やアーセナルバードらによって制空権を奪われ、そしてそれらによる阻止攻撃が実施される中で強行されたという、かなり壮絶な内容が展開されていた可能性が高い。オーシア海軍は航空戦力及び空母を殆ど叩き沈められている中で上陸作戦を実施せざるを得ない状況下にあるが、そんな過酷な状況下でも、なんだか知らんがタイラー島に上陸自体は成功させている。遠方の基地から、航空部隊に死ぬ気で空中給油を繰り返して上陸部隊を援護をやらせたのだろうか。タイラー島上陸作戦についてはほんとうに謎が多い。

*2:3DSでは、ドラゴネット級戦略原潜の二隻には、一番艦フェンサリル、二番艦フォルクヴァングとやたらカッコいい名前がつけられた。ドラゴネット級と言うのだから、一隻くらいはドラゴネットを名乗る艦があってもいい筈なのだが、ドラゴネット級のドラゴネットはどうやらいないらしい。ちなみにドラゴネットとは、ドラゴンの子供だとか、ネズッポ科とか言う小さな海水魚を指す分類群を意味する。このどちらかに由来する名称だと考えられるが多分前者なんじゃないだろうか。

*3:ちなみに、この攻撃自体はユージア同盟軍によって阻止される。しかし、人によっては阻止できずにセントアークが燃えまくって終わる場合もある。ちなみに私は何を隠そう後者の方である。

*4:仮にもしユークがエルジアに助け舟を出していた場合、かつてオーシアへ敵意を持った国家たちが、エルジアという代理人を通して参戦するという、別の切り口で語られる"灯台戦争"という構造が生じてくるのかもしれない。流石にそれは無いと思われるけれど。

*5:ちなみに個人的には、この潜水艦はドラゴネット級原潜の系譜であってほしいと願っている。シンファクシ級だとSAMやらUAVやら謎の炸裂弾やらでぶっちゃけ戦っていて非常に鬱陶しい。というか普通に強い。しかしドラゴネットだと非常に戦いやすい。何しろドラゴネットのメイン装備は機銃なのである。機銃を撃つだけのやたらデカくて脆い的なのだ。3DSではテコ入れされてミサイルも撃ってくる様になったが、それでもドラゴネット級戦略原潜は弱くて組し易しなのでできればそっちであって欲しい。

アーセナルバード 脅威の科学力

※要加筆修正項目 例によって、画像挿入、文章校正は追って行う。

 

はじめに

突然だが、バケモノ鳥について語りたい。

 

バケモノ鳥、アーセナルバードとは、エルジア王国が灯台戦争必勝を願って作り出した、エルジア脅威の化学力の結晶……とか言う訳では無く、オーシアやユージア各国が共同で開発した、やたらとデカくて強くて硬い、無人機たちの親玉である。

この兵器も、やはりというか、またかというか、エルジア人伝統の戦法である「人の作ったものを奪って利用する」に組み込まれ、創造主であるオーシア=IUNに対しての多大なる戦果を挙げてきた。

灯台戦争において、アーセナルバードはその要所要所でトリガーの邪魔立てをするべく登場してきており、またオーシア軍の作戦計画そのものを阻害したりと、存在そのものが非常に鬱陶しかったりする。

エスコン7の、最も古いトレーラーから登場している事からも、アーセナルバードは作品(ゲーム)の開発の根底においても、その存在は根深く、そして抱え持った意味合いは大きいものがあると考えられる。

「7」そのものが「無人機vs有人機」をテーマとしている*1事からも、実はトリガーにとってのアーセナルバードとは、ミハイ以上に大きな意味を持つ、宿命のライバルとも言えるのかもしれない。

とにかく早い話、アーセナルバードはこの作品の鍵となる存在だ。

灯台戦争は、アーセナルバードとISEVを中心に回ってきたと言っても過言では無く、それらを巡ってオーシアとエルジアの熾烈なる争いが繰り広げられてきたのだ。

一体、アーセナルバードとは何だったのか。

本項では、アーセナルバードについて詳しく解説していきたい。

 

 

 

概要

アーセナルバードとは、オーシア連邦とユージアの国家群が共同で作り上げた、ISEV防衛の為の無人空中空母だ。

全幅は約1100m、重量は10万トンを超えると言う大きさを持ち、これを二基のメインプロペラと六基のサブプロペラによって飛ばしている。

また、これらのプロペラは大型モーターによる二重反転ローターの推進によるものとなっており、モーターの回転動力はISEVから送られる太陽光発電由来となっている。

アーセナルバードが守るISEVは、その巨大な構造上、テロ攻撃に対しては非常に脆弱であり、当初からその防衛は非常に困難であると指摘され続けて来た。

よって、その防衛を成し遂げる為には、旧来の技術を超越する何らかの絶対的なシステムが求められたのである。

そして、それを成し遂げるべく、オーシアやユージア各国、IUNの最新のテクノロジーを結集して開発されたのが、件の超兵器「アーセナルバード」なのだ。

2019年においては、初号機「リバティ」、二号機「ジャスティス」の二機がタイラー島にて建造され、運用されている。

以降は、ISEVを中心として半径1200kmに及ぶ行動範囲内を、二機が常時周回飛行することによって防空警戒網が形成されている。

仮にこの防空警戒網の中に敵性分子が侵入した場合、アーセナルバードは即座にそれを察知、次いで戦略AIの指示に従って、運用無人機「MQ-101」を伴った排除行動へと移るのである。

元々「ユージア宇宙開発の架け橋にして、エネルギー問題解決と大陸の経済的平等を実現する"ISEV"」、「ISEV防衛システムの要"アーセナルバード"」、「防衛システム全体の補給を司る支援基地"タイラー島"」の三つは、それらがセットとなってはじめて、ユージアにおける絶大な権力の象徴「システムとしてのISEV」を実現する。

もちろんこの三つの柱のうちの一つであり、ISEV防衛構想の中核を成し、システムを"物理的に直接保障"しているアーセナルバードは非常に重要なものとも言えよう。

灯台戦争の開戦と同時に、エルジアは上述した三つの要点の重要性を強く認識していた為、ISEVやタイラー島と共に、二機のアーセナルバードは狙われたのである。

よって、強奪された「上記のシステムとしてのISEV」全ては、そっくりそのまま同戦争を通してエルジアに対しての利益を享受し続けてきた。

これを止める為に防空警戒網へ突入したIUN-PKFのパイロット達は、アーセナルバードによる洗礼を受ける事となり、物言わぬ無数の鉄塊となってユージアの地に堕ちていく。

アーセナルバードは灯台戦争全期間を通して、ISEVを守り続け、エルジアによるISEV支配体制を堅固たるものとしてきた。

しかしこれは逆説的に、この二機が喪われた場合には、そのままISEV支配の体制そのものが、崩れさる事をも意味している。

 

 

兵装

アーセナルバードはその名称通り、全身が火器満載の火薬庫(武器庫)となっており、それが誇る火力はとてつもないものがある。

アーセナルバードが搭載する火器は大きく大別すると、機体背面を中心として、機体各所に搭載された「自衛用装備」と、機体底面側の翼にある「格納庫」の二つに分けられる。

まず、ピンポイントディフェンス担当の自衛用火器類について解説して行きたい。

 

 

自衛用装備(SAM、PLSL、TLSAPS)

本機に搭載された自衛火器は、三つ。

まずは、機体背面に多数の「対空ミサイル(SAM)」。

次に、機体下面に据え付けられた、自分より低高度の敵を攻撃する対空(対地への対応可能かは不明だが恐らく可能)用「パルスレーザー(PLSL)」。

最後には、機首には軍艦すらも数秒で破壊可能な、強力な「Tactical Laser System(TLS)」である。

これらに加えて、本機固有の特殊な装備「Active Protection System(APS)」は、ミサイル攻撃や敵航空機から機体を守る為に用いられる防衛設備だ。

そもそも本機は、ISEVが送信する電力を機体中央のレクテナ基部より受電、稼働している。

そして、このAPSとは、その電力を瞬間的に周囲へと放射、偏向シールドとして用いる事で、絶対的な防御能力を発揮すると言うこの装備が稼働している間は本機は如何なる攻撃をも受け付けない、いわゆる無敵状態となる。

以上が自衛用装備なのであるが、敵からすればこれだけで既にとてつもない脅威だ。

実際、これら各種装備によって、IUN-PKFの航空部隊は少なくない犠牲を出しており、具体的にはAPSとSAMによって、スケルトン隊は殲滅されている。

また、TLSの掃射によって「デアデビル作戦(Operation:Dare devil)」に参加したミサイル駆逐艦を中心として編成された艦隊は、壊滅状態へと陥ってしまっている。

しかし、アーセナルバードの真骨頂は空中母艦。

即ち、機体下部の格納庫にこそ、本機のその真の価値がある。

つまり、自衛装備の説明程度では本機の真髄を見出す事は出来ない。

その搭載兵器について見て行きたい。

 

 

格納庫(搭載機、特殊兵装)

アーセナルバードは、5×4の吊り下げ式格納庫を翼に計4カ所持ち、つまり、最大5×4×4=80の約80単位にものぼる装備を搭載可能とされている。

灯台戦争中、実際に搭載され運用されたのは、無人機及び中距離巡航ミサイルであり、前者は当然MQ-101だが、後者は不明である。

恐らくはこの特殊兵器とは、「ヘリオス」なのだろうと考えられるが、これについては明言されていないが為に、その確証は無い。

本項では、後者の装備をヘリオスと「仮定」して説明を行っていくものとする。

 

 

MQ-101

まず格納庫装備である、MQ-101は、アーセナルバードを守る随伴機、制空戦闘機だ。

無人航空母機の面目躍如には必須であり、本機の戦闘能力を規定する重要な装備となっている。空母で言う、艦載機に相当する装備でもある。

これは極論ではあるのだが、格納庫にMQ-101をフル装備した状態であれば、アーセナルバードは最大80機もの制空戦闘機を伴った作戦行動も可能となる。この制空効果は凄まじいものがあると言える。

また、対空ミサイル運用が可能なので、それぞれをミサイルキャリアーとして運用も可能だ。

MQ-101は、既存の制空戦闘機に匹敵する性能を持つだけでなく、人体が受けるGの制約が無い為、下手をすればそれを超えるほどの戦闘能力を発揮する可能性すらある。

且つ、本機は無人機である。

よって、大量生産が可能で幾らでも替えが効き、膨大なコストを払って訓練を行い、日々の練度向上・維持に努める必要も無い。

また、当たり前だが、UAV固有の「スウォーム」戦法だって勿論可能だし、アーセナルバード本体の周りをMQ-101が取り囲む様にして飛行させれば、機体を防御する鉄の壁の構築もできる。

群を形作る事で、本体の防衛のみならず、単純に個々のUAVの生存力上昇にも繋がる。互いに支援し合う事だって可能だし、火力を集中、敵に対して効果的な攻撃だってでき、そしてこれに、中心を行く本体の火力が加われば、その戦闘集団の脅威は計り知れないものとなるであろう。

尚、これら搭載UAVへの弾薬及び燃料の補給は、アーセナルバード格納庫の内部機構によって行われる。

MQ-101が戦闘を終了すると、アーセナルバードに張り付く描写があるが、UAVはこの状態でそのまま弾薬や燃料などの補給を受け取るのだ。

補給の元となる、アーセナルバードに積み込まれる補給物資は、後述するサプライシップが担当している。

ちなみに、アーセナルバード本体がオーシア並びにIUNによるものである事から、当然それの運用機体であるMQ-101もオーシアやIUNによるものであると考えられる。

戦争期間中、MQ-101を開発し続けていたのは、エルジアのものとなってしまった、ISEV公社工場であった。

 

 

ヘリオス

忘れた頃に飛んでくる、空中炸裂弾頭こと"ヘリオス"。

エルジアが開発し、アーセナルバードに積み込んだらしい、謎の兵器である。

戦闘空域外から、巡航ミサイルよろしく撃ち込んでおり、それによって巨大な爆発を作り上げて攻撃し空域を制圧する*2

灯台戦争の幾つかの局面で、エルジア軍の輜重兵は、このなんだか得体の知れない兵器を、何の脈絡も無いタイミング*3で、ユージア各地にて、せっせと運んでいる様子が見られた。

当然、トリガーはそれと知らずに攻撃し破壊する訳なのだが、よって我々はヘリオスの眩爆発に巻き込まれる、エルジア輜重兵の姿(ビークル)を拝む事ができる*4

生身の人間(運用側)とってヘリオスは危ないし、余り関わりたいとは思えない兵器なのかもしれない。

アーセナルバードはこれを用いて、ワイアポロ山脈のスペア隊を攻撃したり、本体や随伴機MQ-101が空域に到達するその前戯として、シエラプラタ上空へと敵戦力を削る為にと放っている。

 

 

運用

アーセナルバードは、戦略AIの判断に従って動いている。

地上及び空中管制によって、友軍からある程度の要求や指示、方針決定は成されるが、現場における戦闘行動そのものや、最終的な判断はAIが独自に行うという無人運用だ。

理屈は不明なのだが、エルジアはアーセナルバードが無人運用である事を利用して、IUNから奪取を*5行っている。

以降はその設計思想通りに、ISEV周りの制空権を確保し続ける為の周回軌道、自動運用がなされていたようだ。

本機の戦闘継続の為の補給は、支援基地タイラー島より定期的にサプライシップが上げられ、そこから行っている。

このサプライシップは、無人航空母機やその搭載機のへの燃料・弾薬が満載した「ドッキングモジュール」を運んでいる。

アーセナルバード機体本体の腹部に、その接続場所が存在しており、そして、接続されたドッキングモジュールより、機体の内部機構を通じて機体各所や各搭載機へと補給が分配されるのだ。

また、この補給行程において、補給を使い切った古いドッキングモジュールを受け取る空のサプライシップと、新しいドッキングモジュールを送り届けなければならないサプライシップの二機のサプライシップが必要となる。

その為、サプライシップは二機一組で運用される。

一回の補給につき、二機連続してのカタパルトよりの射出はこの様な理由がある。

 

 

灯台戦争とアーセナルバード

戦争序盤にかけては、アーセナルバードを中心としたISEVの防空警戒網に対して、オーシア軍は手も足も出ない状態であった。またユージア東部の最前線におけるMQ-99を用いた自動邀撃システムの存在も相まって、オーシア側の作戦行動や戦争計画そのものに大きな制限を課した。

戦争中盤に差し掛かってくるとオーシア軍は、ISEVの直接の奪取を断念し、敵首都への攻撃へと方針を変えるのだが、これはアーセナルバードとの対決による無用な出血を避けた故の行動であると言える。

それ程までに、アーセナルバードと自動邀撃システムによる出血をオーシアは恐れていた。

しかし、LRSSGによる反撃作戦が開始されると、オーシアの戦争計画の目の上のたんこぶとなっていたこの二機の「化け物鳥」をなんとかすべく、アーセナルバード狙撃作戦こと「ドラゴンブレス作戦(Operation:Dragon breath)」が実施された。

これにより、初号機「リバティ」がS.T.N.によって破壊され、防空警戒網のその面積は大幅に縮小する次第となる。

これにより、大陸上で拮抗していた両軍のパワーバランスは崩壊、エルジアは劣勢となる。

エルジアがファーバンティを占領され、大陸全域での通信網断絶が生じた2019年9月19日頃から、依然としてエルジア支配地域であったISEV周辺には、エルジア軍残党の中でも特に過激派であるエルジア急進派(ERU RADICAL)が集い始めるようになっていた。

その中でアーセナルバード「ジャスティス」は、この地にて戦争継続を叫ぶ彼らとの守りとして、変わらずエルジア勢力によるISEV支配体制を維持し続けるのだった。

しかし、10月1日、ユージア大陸において群雄が割拠し、それぞれで争う「(所謂)グローバル内戦状態」が発生すると、この体制も遂に崩壊の兆しを見せ始める。

戦争に疲れた多くの群雄、諸勢力は、ISEVとアーセナルバード、そしてエルジア急進派こそがこの戦争の根底にあると気付き始める。

また、民間のチャンネルにて、ユージアの多くの地域へ、ISEVへの攻撃を先導するような文言が流布された事も一つのキッカケとなっている。

2019年10月、戦争終結を願った群雄達による有志連合が自然に結成されることとなり、彼らはISEVへと進軍する。

この下らない戦争を終結せんとする有志連合と、それを阻止するアーセナルバードとの最後の戦いが、ここに開始されるの事となった。

 

余談 過小評価されたバケモノ鳥

アーセナルバードの戦闘能力は、IUN司令部によって度々の過小評価が成されている。

例えば、両面作戦(Operation:Dual wielder)においては継戦指示という愚策を成し、撤退を渋った司令部のせいで、チョピンブルグ方面作戦の作戦機とパイロットに、無用な流血が生じてしまった。

しかし、この予測できなかった損害と、IUN、オーシアによる過小評価には些か不可解なものがあると思われる。

何故、司令部は速やかな撤退命令を行わなかったのか。

自分達が開発した兵器なのに、何故その危険性がわからなかったのか。多数の損害が出ているにもかかわらず、継戦を命じたのか。

これについての明確な理由こそ不明だが、一つ言えるとすれば、アーセナルバードがIUNによって過小評価されていた事、エルジアがMQ-101に対しての予期せぬ強化措置を成していた為だと考えられる。

当たり前な話だが、そもそも航空母艦とは、艦載機を運用する為の兵器であり、その戦闘能力は当然ながら搭載された艦載機に大きく依存する。

また、艦載機の戦闘能力は、艦載機の性能だけでなくパイロットの練度・技量によるものも大きと言える。

つまり、パイロットそのものの性能が、最終的な戦闘兵器としての空母の性能を左右する面もあるのだ。

その為、様々な国の空母航空団は、それらの向上の為に毎日毎日訓練に明け暮れている*6

またアーセナルバードも、それだけで十分脅威足りうる戦闘能力を有しているものの、既存の空母と同じく、その本質的な能力は、運用無人機のMQ-101が占めるものが大きいと言えるだろう。

そしてMQ-101の練度に相当するのが、ソフトウェア、無人機の頭脳こと戦闘AIなのである。

これを改良、性能向上させる動きとして、開戦前よりエルジアの技術研究所である「EASA」へと出向した「ノースオーシアグランダーI.G.」社員と、エルジア軍第68実験飛行隊「SOL」の搭乗員によって行われていた一連の戦闘データ採取が挙げられ、そのデータを開戦直後に、強奪したMQ-101へと反映したものであろうと考えられる。

つまり、両面作戦実施前にIUN司令部が想定していたアーセナルバード搭載UAVと、実際の現場で待ち構えていたUAVは、外面こそ同じだが、中身(戦闘A.I.)は全くの別物*7になっていた。

よって、IUN司令部がこれを予想出来なかったのは、ある種仕方ない事なのかもしれなく、両面作戦継戦を命じたのはこのような理由が考えられる。

いずれにせよ現場からすれば堪ったものでは無いが、初回の両面作戦についての意思決定の遅延は、そう批判しきれたものでも無い。

とは言え、スケルトン隊四機中二機を屠ったのはAPSだし、司令部が二回目の判断の遅延を生じさせる「デアデビル作戦」においても、オーシア海軍に甚大な打撃を与えたのはTLSであった。

要は、IUNもオーシア南部方面軍司令部も、過小評価していたのはアーセナルバード本体そのものだったとも考えられる。

なんだか、段々とIUN司令部への擁護が成り立たなくなってきたような気もするが、二回目のデアデビル作戦での南部方面軍司令部は、通常の軍ではない集団を統率せねばならなくて、てんやわんやだったから、別の意味で仕方のなかったと言えるのかもしれないが。

強引にまとめると、無人航空母機や大量の無人機が存在する戦場というのは、司令部要員こと高級士官達にとっても、想像がつかないような未知の戦場だったのだ。

結局、往々にしてそれをフォローするのは、現場の兵士たちによる流血である、という話である。

 

 

まとめ 

戦場では無人機が台頭し、友人機の落日が近づいている。

エースコンバット 7 HP

WORLD エースコンバット7の世界

https://ace7.acecombat.jp/world/

2019年12月1日にEC会談にて終戦する灯台戦争。

そして、10月31日、アーセナルバード・ジャスティスとの大決戦は、戦争の終結に大きく関与するばかりではなく、トリガーと二機のバケモノ鳥の因縁の対決に終止符を打つという重要な意味があった。

11月1日段階では、フギンムギン含め、有人機vs無人機の争いは「有人機代表選手」ことトリガーの勝利で推移している。

しかしその裏では、有人機の成長可能性はそろそろ頭打ち(既存機への(エアロコフィン導入や、Rタイプ戦闘機やら、一応有人機の成長発展余地はあるっちゃあるが。))になってしまっている様子すら窺える。

戦争期間中、数多の有人機パイロット達は無人機に食われてきたし、カウントを除いた数多くのパイロットは、トリガーと無人機との争いに追従すら出来なかった。

つまり、「有人機」というハードウェア、そのものの限界が見え始めたと言っても良いであろう。

それに、現段階ではトリガーは無人機に抵抗できているが、それはもしかしたら単純に彼が特異な存在であるからに過ぎないのかもしれない、と言う可能性もあるのだ。

しかし、対する無人機は、既に幾つかの局面では有人機を越えかけているし、またはるかに大きな成長余地、つまりは拡張性を持っている。

MQ-101をはじめとする各種無人機の戦闘A.I.に、今後新たなる戦闘データを採取・反映させ続けていく事だけでも、その戦闘能力は格段に向上していくであろう。

事実として、ミハイからより多くを学んだ「Z.O.E.(戦闘A.I.)」搭載機「ADF-11F」は、有志連合の航空機に対して、大きな戦果を挙げている。

仮にもし、あの機動を「MQ-101」の大群が真似したらと考えると、それだけで有人機側にとっては耐え難い悪夢が発生する。

つまり、このまま行くと有人機側には勝ち目などは無くなってしまう。

当然、将来的にはトリガー(などの現状の無人機と辛うじて渡り合えるパイロット)にとっても、厳しい戦場が待ち受けていると言えるであろう。

無人機には「コントロールを敵に奪われたら」という不安こそあるものの、有人機vs無人機については、いずれ無人機が勝利するというパラダイムシフト発生の瞬間は避けられないのだ。

ストレンジリアルの空が、無人機たちに埋め尽くされる日、つまり有人機の落日の日もそう遠くはないのである。

 

しかし、このとき、だったらどうして2040年のユージアには、有人機ばかりが飛び交っているのだという疑問も浮上してくる訳なのだが。

疑問は尽きない。

 

 

 

*1:「有人機の落日の日は近い」事からも近い将来、有人機へ無人機に敗北を喫すると目されているらしい。一応、本編終了の2019年11月時点では、ヒト代表こと我等のトリガーが勝利して終わったのだが、しかしその次はどうなるのか、「7」はそれで終わりなのか、個人的には興味は尽きない。

*2:これは、エストバキアが運用し、グレースメリアを恐怖の渦へと陥れた"ニンバス"に類似したミサイル兵器なのだとも考えられるが、実際のところは全く持って不明であり、その原理すらわからない。

*3:一応、ヘリオスの陰がチラつくと、次のミッションではその本体が突如襲来してきたり、それによる攻撃が実施されている。しかし、ヘリオス自体の登場は毎回なんだか唐突過ぎるタイミングなのでよくわからない。

*4:正直、アーセナルバードに積み込むよりも、エルジアの防空部隊辺りにこの兵器をばら撒いておけば、エルジア地上軍の対空戦闘能力の向上につながるのかもしれないとも考えたが、これだけ過敏に反応し、運用者やその周りを巻き込んで吹っ飛ばす恐れのある危険な兵器なのであれば、その扱いは強固な装甲を持つ、頑丈な無人機にこそ相応しいのかも知れない。

*5:エルジアによって戦略AIの論理式でも書き換えられたのだろうか。エルジアは多数のハッカーを有していたようだし、可能性は無くはないかもしれない。しかし、実際の所、アーセナルバードがどのようにしてエルジアへと下ったのかその詳細は不明だったりする。いつか答え合わせ的な設定資料集とか出してくれないだろうかエイセス。

*6:現実世界での例をあげるのであれば、アメリカ海軍"ロナルド・レーガン"所属の第五空母航空団のパイロット達なんかは、アメリカの中で選びに選ばれたとんでもないエリート集団だったりする。彼らは日々なにやらよくわからない訓練を重ねているし、また選抜テストも勉強量ももう何もかもがとんでもない。そもそも、航空機搭乗員になるハードルでさえも高いのだが、航空機を運用するパイロットはもっと大変なのだ。またこれは余談だが、特に第五空母航空団はその中でもさらに選びに選ばれし者たちであるらしい。航空基地が神奈川の市街地のど真ん中にあるので、もし着陸に失敗して街に突っ込めば、それだけで大変な政治的問題になるのを防ぐためだと思われる。だから、ダイアモンドバックスをはじめとする四つのVFAなどは、アメリカ軍のパイロットを見渡しても有数のエリート達が選抜されていたりするのだ。

*7:例えるならば「80機のフルバンド程度が襲い掛かってくると司令部は予想していたが、現場では80機のミハイみたいなのが待ち構えていた」みたいな感じ。

トレイラー・アンノウン

もはや今更だが、エスコン「7」のシーズンパスで、3ミッション、3追加機体がやって来るらしい。

詳しい情報の初出は、2月6日でのトレーラーの発表である。

2月6日のあの日の出来事は、2か月経った今でも鮮明に憶えている。

ロングキャスターに影響されたせいか、衝動的にハンバーガーを食べたい気持ちが抑えきれなくなった。

東京駅の近くのシェイクがウリ(らしいが一度も頼んだことがない)のチェーンのバーガー屋に突入し、腹いっぱいになるまでバーガーを食う。

腹が膨れた帰りの電車の中、暇を持て余しスマホを取り出したのだった。

なんとなくYouTubeを開くと、驚くべきことに、エスコンの新トレーラーが追加されているではないか。

あの時の衝撃は今でも鮮明に憶えている。

トレーラーを視聴する為、絡まったイヤホンをカバンから急いで引っ張り出し、それをもどかしく感じながら、やっとの思いでほどく事に成功する。

そして汗ばみ、震える手でジャックに挿す。

この時、「7」のキャンペーンモードはとっくにクリアしてしまっており、実を言うと少しばかり燃え尽きたような状態だった。

ユージアの空に戻るには、何かキッカケが欲しかったのである。

思い返せばいつだって、エスコンシリーズのモチベの源はPVやトレーラーだった。

告知映像を見てから本編をプレイするまでを楽しみに待つというのは、このシリーズの醍醐味の一つだと自分は勝手に思っている。

恐らくはこのトレーラーで展開されるかっこよくて素敵な音楽とアツい映像や展開は、自分を深く魅了し、再びユージアの空へと舞い戻るきっかけを与えてくれるに違いない。

そうだ。ミッションSラン埋めや、地上絵探し、マルチプレイ、勲章集めにエンブレム。「7」にはやれる事、やってない事がまだたっぷりあるじゃないか。

フォートグレイスが待っている。フォートグレイスに帰る時がやってきたのだ。

そして、期待に満ち満ちてワクワクする目の前で、遂にトレーラーは再生された。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやこら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何を言ってるのかサッパリわかんねえぞコレ。

 

 

 

 

 

 

 

 はじめに

今回のトレーラーは曲者である。

f:id:standardsalvo:20190315030146p:image

今までのシリーズのソレらとは全くもって毛色が違うのだ。

例のトレーラーは、何やらAlexなる人間(?)と、一人の男性アイコンの二人が、レポートのテーマについてをチャット風SNSで相談するという内容だ。

終始、何やら意味深かつ理解不能な単語の数々が繰り出されていた。

「消息不明者の帰還」「英雄の暗殺」「擬態蝙蝠」「ディプレスト軌道の到達点」「自然演繹(しぜんえんえき)」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」「100万人の人質」「1000万人救済計画」と言った意味深な文字の羅列が並ぶのだが、さて、何が言いたいのやら。

これらは、恐らくは新たなるキャンペーンミッションの展開を示唆するものだとは思うのだが、しかし、本当はどうなのかはサッパリ「不明」であり、現段階では推理、考察と言う名の妄想を行う以外に打つ手などは無い。

しかし、ここで諦めては"自称"エスコン研究者の名が廃るというものだ。

取り敢えず、論理学的な単語が多数踊っている事が判明したので、財布を握り締めて書店へと向かった。そして、入門書から読み倒すこととした。

f:id:standardsalvo:20190413002805j:image

入門書という時点でかなりの失笑ものだが、知能指数と偏差値が圧倒的に足りていない為に仕方がない。何事もまずは基礎からである。千里の道もなんとやらだ。

とにかく、ロカロハ砂漠にて小銃で戦闘機と戦おうとしたエルジア軍人の如く、無謀な論理学との果て無き対決がここに始まったのである。

オチから言うと、これらの本には「自然演繹」なんて一言も載ってなかったたんだけども。

以下、付け焼刃感満載で、PVに登場した単語について頑張って説明していきたいと思う。

しかし、その内容は、燦々たるアレである為に注意されたい。

 

目次

 

意味深レポートテーマ集

 

消息不明者の帰還

f:id:standardsalvo:20190418004712p:image

のっけから残念な感じだが、これについては正直「不明」である。

消息不明者なんか誰か居ただろうか。

申し訳無いが、全く思いつかない。

「不明」。

 

 

英雄の暗殺

f:id:standardsalvo:20190418004718p:image

これも何をいってんだか「不明」である。

それなりに可能性があるかな、と個人的に推したいと思っているのが「ピルグリム(巡礼者) 1」の「ケイ・ナガセ」女史のそれである。

彼女は、地球へと近づく小惑星の破壊ミッション、即ち、第二第三のメガリスを未然に防ぐミッションに臨み、そして成功に至っている。

つまり、実は彼女は地球を救った英雄なのだ。

彼女が暗殺されると思った根拠として、今作「7」では、「5」由来の要素を片っ端からぶち壊すような(制作側の意思)傾向が見られた。

具体的には、ケストレルⅡが良いとこ無しに沈んだのを皮切りとして、ハーリングの死、シーゴブリンの呆気ない全滅、などである。

つまり、これに則れば「ケイ・ナガセ」が殺される可能性も否めない…気がしないまでも無いが、ちょっと色々と薄い考察かもしれない。

そういえば、ハーリング殺害もそのまんま「英雄の暗殺」である事を思い出した。

前言を撤回して、素直に「ハーリングの死」の可能性が一番高いのかもしれない。

ハーリングの死が6月6日であり、PCの日付「September 18(9月18日)」からも、オーレッド(オーシア首都)では間違いなくホットニュースっぽそうな事からも、やはりこれは「ハーリングの死」な気がする。

後述されるレポートテーマと比して、比較的社会派なトピックスになっているようだ。

f:id:standardsalvo:20190420032702j:image

 

 

擬態蝙蝠

f:id:standardsalvo:20190418004748p:image

本気で心苦しいが、これもまた「不明」ではある。

擬態する蝙蝠としては「シロヘラコウモリ」なんかがいる。

このシロヘラコウモリ、現実世界の中南米に生息し、フルーツなどを食べて生きる体長4~5cmの小さなコウモリである。

その特徴として全身がまるで雪の様な真っ白でモコモコした毛に覆われている。

彼らは普段は植物の葉と葉の間に身を隠して生活しているのだが、植物の葉というフィルターを通して射す日光が彼らの白い毛に当たるとき、彼らは植物の葉とほとんど見分けがつかなくなってしまう。

「葉っぱに擬態して生きるコウモリがいる」という話だった。

シロヘラコウモリも、ストレンジリアルのレサスとかオーレリアに生息していたりするのだろうか。

とはいえ、シロヘラコウモリがエースコンバットと関連性があるかどうかと言われても、いまいちピンとは来ないのだが。

ここは素直に、所属を変えまくる「蝙蝠野郎」が、何かに「擬態」していたと考えるべきなのだろうか。味方のフリをしていた、とか。

しかし、やはりコレについても本気でわからない為に「不明」と言わざるを得ない。

 

 

ディプレスト軌道の到達点

f:id:standardsalvo:20190418004807p:image

ディプレスト軌道とは弾道ミサイル軌道に関する用語である。

このディプレスト軌道についてザックリ説明する前に、まずは全ての基準となる、最小エネルギー軌道について説明する。

 

最小エネルギー軌道

最小エネルギー軌道(MET)とは、弾道ミサイルが質量当たり最小のエネルギーで飛翔できる、つまり最もエネルギー効率の良い軌道のことをさす。

その為に最小エネルギー軌道では、理論上、最も物を遠くまで、そして最も大きな質量の弾頭を目的地まで運ぶ事ができる。

弾道ミサイルの軌道は、この「最小エネルギー軌道」を基準として、これより軌道「高いか」「低いか」で区別がなされる。

 

ディプレスト軌道

f:id:standardsalvo:20190418004213j:image

件のディプレスト軌道、その定義は、弾道ミサイルが描く軌道の「最高点」が「同一射程の最小エネルギー軌道(MET)」と比して「低い」弾道の軌道である。

ディプレスト軌道の最高到達点は、最小エネルギー軌道よりも低い。

その為に、迎撃側のレーダーによる探知が難しく、反応が遅れ、迎撃が困難になると言われている。

また、後述するロフテッド軌道や、最小エネルギー軌道よりも飛翔速度が「速い」という特徴がある。

弾道ミサイルが火を噴きながら加速するのは、加速段階(ブースト・フェイズ)のみであり、そこに再突入時の終末段階(ターミナル・フェイズ)の重力落下やら大気摩擦やら地球自転やらが、もうなんかようわからんが色々と云々カンヌンした結果、弾道ミサイルの飛翔時間と速度は定まる。

ディプレスト軌道はその最初の加速段階において、ロフテッド軌道や最小エネルギー軌道ほどには角度のついた軌道をしていない為に、弾道ミサイルが受ける速度低下要因としての重力損失は少なめでもある。

飛翔時間が「短く」、速度が「速い」ディプレスト軌道は、弾道ミサイル軌道の主流派でもある。

 

ロフテッド軌道

f:id:standardsalvo:20190418004241j:image

上記とは逆に、弾道ミサイルが描く軌道の「最高点」が「同一射程の最小エネルギー軌道(MET)」と比して「高い」弾道である軌道を、ロフテッド軌道という。

このロフテッド軌道は、弾道ミサイルの再突入後の終末段階では、落下角度がほぼ垂直になるために迎撃が非常に困難であるといわれる。

また、このロフテッド軌道は、ディプレスト軌道や最小エネルギ―軌道と比べると、飛翔速度が「遅く」、飛翔時間が「長く」、最大弾道高度も「高い」と言う特徴がある。

加えて、ロフテッド軌道にら「野球ボールを真上に全力投球すれば、高く上がった後近くに落ちてくる」の如くに、近距離の目標に対しての弾道ミサイル攻撃が可能となる利点がある。

ロフテッド軌道は比較的、特殊な射法となる。

f:id:standardsalvo:20190418004302j:plain

以上、明日使える弾道ミサイル軌道についてのトリビアだった。

何が言いたいのかまとめると「ディプレスト軌道の到達点」から想像できるのは、早い話が「ミサイル攻撃の可能性」であるということだ。

例として、「2」の「ラストリゾート」ミッションにおいて、ドラゴネット級原潜がセントアークに向けてICBMを撃っていた件などが挙げられる。

要は「4」にも「7」にもあった、エスコン伝統のミサイルチェイスをまたしてもやらされる可能性があるのかもしれないということなのだ。

しかし、今ここで「そもそも戦闘機でミサイルに追いつくのは無理だし、あのICBMって再突入どころか大気圏脱してすらいなくね?」というツッコミも思いつく。

今回は「ディプレスト軌道」とわざわざ強調しているので、もしかしたらミサイルとの追いかけっこは起きないor出来ない可能性もあるのだ。

例えば、発射されたあるいは再突入する弾道ミサイルを、成すすべもなく眺めてるだけになる、とか。いや、まあ知らんし、それじゃゲームにはならんか。

また本題になるが、ここにおいて最も重要な問題とは、その「到達点はどこか」という話でもあったりする。一体全体どこになるのだろうか。しかし、現状ではそれも「不明」なのだ。

 

 

そもそも論理学とは何か?

ここからはAlex君(?)が提案する単語群についての無謀過ぎる説明を行いたい。

Alex氏はどうやら論理学が得意なのか、論理学を大変好む人間(?)らしく、よって彼の提案するレポート課題は論理学の用語ばかりである。

f:id:standardsalvo:20190418005633p:image

これから説明する「自然演繹」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」のいずれもが、論理学に関する用語だ。

ちなみに、この論理学、人口知能研究において重要な役割を持つ学問だったりする。

実は、人工知能には物事の「論理」つまり「何故(過程)」に当たる部分が、あまりよくはわかってはいない。

物事と物事の関係からどのような結論が見出せるかを考えるのが苦手なのだ。

例えば、人工知能が「どうやら世の中から病院が減っていけば、健康な人が増えていく」という結論を出したとき、それが「病院が無いから各々が健康に気を付けて健康になる」からなのか、「単純に病人や体の丈夫でない人が死に、よって健康な人が生き残る」からなのか、それとも「世の病気は全て医療医薬品業界が諸悪の根源、つまりはマッチポンプであり、その手先である病院さえ無くなれば人類は病気から解き放たれ健康になる」というトンデモ論から導き出した解答なのか、その「何故」に当たる部分が具体的には何なのか、実はサッパリわかっていなかったりするのだ。

よって、仮に人工知能の提案通りに行政が動いたとして、医療費削減目的で病院をつぶしまくった結果、その「何故」がよくわかっていないために、そこから何が起こるのかは予想がつかないし、まずロクでもない事が起こる事請け合いである。

何らかの理屈に従い、国から本当に病人が減ったとしても、それではあまりにも危険が過ぎるだろう。

つまり、現代の人工知能はマトモな理論を一から、独りでに導き出すのが困難である為、何かの意思決定の相談について利用する場合では、正直色々と不安だったりする*1

なので、人工知能に「論理」を教え込むことで、人間と同様にして、論理的思考ができるようにしようという試みがなされている。

その中でも「推論」は特に重要で「今ある前提(命題)を基にして論ずることによって結論(命題)を見出す」という行為そのものが、人間のロジカルな思考体系をトレースしていることに他ならない。

そして、人工知能は、様々な知識を基として「推論」を行っているのだ。

また、そもそも人口知能を作ったり、構造を理解したりするには、論理を式化した論理式の読み込みや、それの理解には論理学の理解が必要不可欠である。

速い話、人工知能にとって「論理学」「論理」はとても大事なものとなっているのだ。

ところで、灯台戦争を通してトリガーたちは、人口知能を搭載した無人機たちと散々戦ってきた。

今回「論理学関連ワード」である「自然演繹」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」などをPVでわざわざみせられたわけだが、これらは、今後のDLCのキャンペーンにおいて、人工知能関連つまり無人機に関して、更に何かひと悶着あるという事の示唆だと考えられやしないだろうか。

以降は、「Alex」氏が提案した単語群について、付け焼き刃ながらも説明していきたい。

 

 

自然演繹(※要加筆修正項目)

f:id:standardsalvo:20190418005211p:image

論理哲学用語。

まず「演繹」とは、一組の前提から厳密な推論規則(推論規則については後述する)に従って結論を導き出す推論のことである。

演繹は、前提が「真」でさえあれば、結論も百パーセント「真」でなければならないというルールがある。

また、そのような推論を、時に「論証」と言ったり「論理的推論」と言ったりする。

演繹は推論規則に厳密に従いさえすれば、その推論規則はどんなものでもよく、つまりは「演繹」は推論規則が何であるかで、その形も変わってきてしまう推論でもあるのだ。

演繹について、具体例を一つ挙げて説明する。

具体例:

人間は死ぬ。

カウントは人間だ。

カウントは死ぬ。

前提である「人間は死ぬ」は普遍的な事実として「真」である。

また、カウントが人間である以上、いつかは彼も死ぬことになるであろうことから、その結論もまた「真」となる。

カウントがこの先、ジジイになり大往生するのか、過去に行った「詐欺」の恨みから誰かから殺害されるのか、または「トリガーに付いていけば生き残れる」を守ったにも関わらず火ダルマにされて終わるのか、この先どのような死因になるのかは不明だが、彼もまた人間であるである以上死からは逃れられないハズである。つまり、結論としてカウントもいつかは死ぬのだ。

このようにして、演繹は推論規則の制約内でのみ結論を導くために、前提条件以上の新しい情報を導くことは不可能である。

とはいえ、人間の洞察力なんてのはたかが知れているがために、演繹法を用いれば当たり前のように思える前提から思いもよらない結論へと行き着く事だってあるのかもしれない。

意外な気付きや、発見にだって至れるかもしれないのだ*2

 

 以上が演繹の説明であり、ここからは本題である「自然演繹」の説明に入りたい。

といいたいところだが、残念ながら自然演繹が何なのかが、割とマジでサッパリわからない。

現状では一応、それっぽく体裁を整えておく。(ここの項目については理解が追い付き次第、追々、加筆修正を加えていきたい。)

自然演繹はその名の通り演繹(論証)の仲間である。

もともとある前提と、計9つの「推論規則」の活用などによって論証を正当化する。

1.仮定の規則

2.前件肯定

3.二重否定の規則

4.条件付き証明の規則

5.∧-導入の規則

6.∧-除去の規則

7.∨-導入の規則

8∨-除去の規則

9.背理法

示された前提(前提が無い場合もある)と、上述した推論規則を組み合わせて論理式の列は記述される。

最終行にて論証は「自然な」ものとして証明される。

 

自然演繹について「例題を解け」とか「具体例をかけ」とか言われても、無理であり、つまりは全く理解をしていないわけだが、しかし、ただ結論として「今回論ずるべき、証明するべき推論の前提をトレイラーは示していない」とだけは断言できる。

つまり、この単語についてのこれ以上の深堀りはできない、ということだけは宣言できるのだ。

何故なら演繹は、前提以上の結論を見出す事ができないからだ。

つまり、前提が示されておらず、何について演繹をすればいいのかを示していないが為に、これについては本当に「不明」という結論しか、現状では出せない…知らんけど。

 

 

推論規則(※要加筆修正項目)

f:id:standardsalvo:20190418120009p:image

論理学関連単語。

論理式(定理もしくは公理)から、他の論理式(定理)を書くときに使う変形ルールのこと。

 例えば、自然演繹において前提がない状態で「p→q,¬q¬p(間接証明)」の論理式を証明する際、第四行にて「前件肯定」の「p,p→q q」を用いたがつまりはソレである。

推論規則には、例として上述した前件肯定のほかにも、三段論法や全称化などの無数が存在するが、今回の「自然演繹」では、上述した9つの推論規則を用いるために、Alexが提案している推論規則は、恐らくそれなのであろう。

しかし繰り返すが、前提やそもそも何を証明するのかが不明である為に「推論規則」と言われても、何を示しているかは残念ながら現状では「不明」であることに変わりはない。

ぶっちゃけ、何の脈絡も無く因数分解!とか言ってるのとあんま変わらん気がしないまでも無いが、どうなのよ。

 

 

後方推論

f:id:standardsalvo:20190418115929p:image

または後ろ向き推論。人工知能に用いられる論理学的手法。

ある結論を仮定し、それが正しいかどうかを、それが成立する条件とルールを変えて繰り返し探索する手法のこと。

わかりやすく言うと、広義の上では「3」においての「プロジェクトネモ」は、電子空間上で繰り広げられた壮大な後方推論だと言えるかもしれない。

ディジョン個人の殺害」という結論を仮定した上で、ありとあらゆる事象をシミュレートし、成立の条件や推論規則を見いだそうとした。

ネモはゲーム中、何周も何周も様々な敵と戦ったり様々な選択を行うわけだが、あの行動過程その全てが「ディジョン殺害」という結論を証明する過程だったと言えなくも無い。

最終的にはどう転んでもネモによってディジョンは抹殺されてしまうので、プロジェクトネモにおける証明は、どうやらなされたようである。

今回の後方推論では一体、何が何に対して証明されるというのだろうか。

しかし、その真相は現時点ではとにかく「不明」である。

f:id:standardsalvo:20190418003636j:image

 

 

ロッコ問題

f:id:standardsalvo:20190418120034p:image

哲学論理学あるいは倫理に関する問題。

ロッコがレールを高速で走っており、このままだと五人が轢かれて死んでしまう。

貴方がレバーを引けば、トロッコは進路を変更し、この五人を救うことができる。

しかしその代わりに、レバーを引かなきゃ死ななかったはずの一人が轢かれてしまうのだ。

果たして「五人を救う為に一人を殺す行為は正しいのか」という話である。

基本的に多くの人は、五人を救い、一人を殺す選択肢を選ぶらしい。

つまり、多数派は公益主義に基づいて思考する。

「五人と一人じゃ、社会にもたらす影響を鑑みれば五人を生かした方が役に立つだろう。迷わずレバーを引いて一人を轢き殺すべきだ」と言うように。

しかしこれは「本来死ななくても良い人間を殺す事になっている」という事について気付かれる事は少なかったりする。

義務論に従えば、誰かの為に誰かの命を用いるのは許されざる行為だから、死ぬはずの無い一人をわざわざ意図的に殺す意味は本来無い筈である。

恐らく、多数派である「五人を生かし、一人を殺すべき」だと公言する人も、いざ実際に現場で「レバーを引けよ」と強いられれば、実行するのは難しかったりするのではないだろうか。

この様にトロッコ問題とは、倫理観や道徳観、社会にへの義務や公益らがせめぎ合うという、結構奥深い議論なのである。

また、実はこのトロッコ問題、更に無限の拡張性があったり、類似した多数のジレンマたちが存在する。

例えば設定を変えて、一人対五人が、四人、三人で人数が変われば、解答はどうなるのであろうか。

また、もしも、轢かれる対象がオッサンだったらどうだろうだろうか。

それが先が短そうな老人だったら。

それが年端も行かない小さな子供だったら。

みたいな感じで、解答者によって結論は三者三様であり、またそこに至るまでの思考過程も変わってきてしまうであろう。

人の持つ偏見と思考と、そして状況の設定によって、レバーを引くか引かないかへの無限の議論の可能性が詰まっているのだ。

また、レバーじゃ想像しにくい人の為に「橋の上から人を叩き落してトロッコを止めろ」という、直接的な表現での出題もあったりする。

ようは「人を叩き落して殺害すれば、その人の死体がトロッコの車輪に挟まり、トロッコは五人を轢き殺す前に止まる」と言うものだ*3

その他にも、ボートを漕いで助けに行くだとか、臓器くじだとか、沢山種類があるらしい。

もしかしたら「弾道ミサイルが発射され、その行先が判明している時、そのどっちを撃ち落とすのか」みたいな問題も作れるかもしれない。

とにかく、トリガーがこの先、どの様なトロッコ問題を解かされるかは現在「不明」ではあるが、あまり気持ちの良い問題ではないであろうこと、それだけは確かそうだ。また、これを解くのは、トリガーじゃない可能性もあるのだが。

ちなみに余談であるが、実はこの「トロッコ問題」は現実世界で人工知能とセットで研究されている内容であったりもする。

その代表的例として挙げられるのが、「クルマの自動運転」に搭載される人工知能であろうか。

自動運転車が何かしらのトラブルに見舞われた際、クルマがその判断をしてくれると言うものだ。

どのような判断基準でクルマがトロッコ問題を解くのかはその人口知能の設計者にしかわからないが、しかし、近い将来、機械によってヒトの生殺与奪が決定される社会が到来するのかもしれないということであった。ゲームの中と同じくらいか、現実は実はそれ以上に奇なのかもしれない。

 

 

100万人の人質

f:id:standardsalvo:20190418120043p:image

「不明」。

わからん。

 

1000万人救済計画

f:id:standardsalvo:20190418005258p:image

「不明」。

上記のトロッコ問題と100万人の人質とを組み合わせていくと、なんだか、かなり嫌な感じの意味になる気がする意味を想起させてくるのは内緒である。

ちなみに、「reliefe」は当然「救済」と言う意味であるが何かの負担を和らげる」つまり「問題そのものは根本的には解決していない」というニュアンスを含んでいる。

また、それの動詞形である「relieve」には解放する、救済する、または皮肉として「失う(失ったから解放された)」といったものがあるとされる。

f:id:standardsalvo:20190420032454j:image

発売前のトレーラーの重要単語(?)「salvation」も「救済」だが、こちらは罪(sin)や罰からの神による救済(=死)的なニュアンスが含まれていたりする。

以上、「救済」にまつわる単語の説明であったが、いずれにせよ、あまり穏やかな意味を表していない気がするから不思議である。

一体何が起こるというのであろうか。

f:id:standardsalvo:20190420032246p:image

 

 

 まとめ

マジかよ、なんもわかんねえぞこれ。

結局、全部「不明」である。

オチとしては最悪な結末になってしまった。

ただひとつ言える確からしいことは、仮に私が大学時代に論理学をとっていた場合、確実に発狂していただろうということ、これだけである。

とりあえず、長期スパンで、なるべく上述した論理学の意味不明用語くらいは何とかしたいと思う。

とにかく、何やら不穏かつ危険な出来事が、ストレンジリアルワールドで巻き起こりそうではある。

「いやそんなもん知ってるよ」て感じでもあるが。

f:id:standardsalvo:20190420033456j:image

ところで、レポート青年と言い、Alexと言い、あまりにも不穏過ぎるのだが、彼ら(?)は果たして一体何者なのだろうか。

f:id:standardsalvo:20190420033011j:image

そしてお前ら誰やねん。

不明、不明、不明。「Unknown」。

謎は深まっていくばかりであった。

*1:しかし、情報処理はめちゃくちゃ得意だからそれには凄く役に立つ。このとき、人口知能は人間で言う「直感」で物事を伝えてくれるカタチとなる。「なんかこれどっかで見た事あるなあ、あーこれだわコレコレ」みたいな感じで、似たような結果のグラフとか数値とかを引っ張り出してくれるのにはすごい速いし優秀なのだ。しかし、繰り返すが「どうしてこれとこれ、同グラフやら数値やらが似ているんだろう」と人口知能からすると、「こちらが教えない限りは」、理屈がわかっていないらしい。

*2:ちなみに演繹の対として「帰納」なる推論も存在する。根拠が不十分である為に、結論として得られるのは「恐らくそうであろう」という蓋然的なものとなる。具体例としては「(前提)ラーズグリーズの一番機も、三番機も、四番機も男性である。ラーズグリーズは男性パイロットばかりが務めている。(結論)したがって、その二番機も男性パイロットであるだろう。」という、いくつかの前提を根拠とした、前提から発展したような結論が導き出される。しかし、実際には二番機パイロットの「エッジ」は女性である。このように、論理的には筋が通っている「真」だが、実際には「偽」であるような内容も、帰納には含まれる。

*3:本来の出展では体の太い人を叩き落としてトロッコを止めるとある。デブはトロッコを止めるのだ。

カルト組織を信じよ

ストレンジリアルの民よ。

思想を信じなさい。

さすれば道は開け、必ずや「救済」が与えられるであろう。

知らんけど。

f:id:standardsalvo:20190412230800j:plain

 

はじめに

突然だが、ストレンジリアルワールドに住む人々は、常に吹き荒ぶ戦災の嵐に苛まれている。

現実世界でもフツーにイザコザは絶えないものだが、ストレンジリアルではそれよりももっと酷い事に、世界の派遣を握る大国までもが定期的に死ぬ気で殴り合って、とんでもねえ地獄を展開するのだ。

そこに住む人々の心労如何程のものかは、かなり計り知れない。

これにウンザリした人々の中では、このような戦乱の世を止めるか、もしくはそれらから解放されるべく、危険かつ先鋭的な思想に染まる連中がしばしば出て来ていた。

例として「国境無き世界」などが挙げられよう。

彼らは、彼らが憎んだ「醜いパイの奪い合い」や「欲と欲とのぶつかり合い」と称される国家間の際限なき争いから、世界を解放するというお題目を掲げて世界に喧嘩を売っていた。

同様にして、歴代エースコンバットには「ウロボロス」「コスモポリタリズム」と呼ばれる、頭のネジが何本も飛んだような思想集団が幾つか現れている。

「国境無き世界」「ウロボロス」「コスモポリタリズム」の三つのそれぞれは、それぞれでアプローチこそ違うものの「国家間の争い」「欲と欲とのぶつかり合い」から抜け出すという意味合いでは、部分的に考え方を共有していると解釈できる。

最後の「コスモポリタリズム」は現段階では無害な連中かつ、組織として成立するかは不明ではあるが、思想の突飛具合とそれを唱える人物の電波具合は先の二つに匹敵すると思われる為に勘定に入れておいた。

果たしてこれら三つの先鋭的な思想は、不毛な争いに満ち満ちたストレンジリアル世界から、人々を「救済」する処方箋となりうるのであろうか。

今回は、実際に彼らがストレンジリアルに対してどのような影響を及ばしたのかを考えてみたい。

以降、かなり怪しげな論が展開されていくが、余り気にしないで軽い気持ちで読んで頂きたいと思う。

f:id:standardsalvo:20190412230936j:plain

 

 

カルト組織紹介

国境なき世界

1995年を中心に活動を行った「国境無き世界」とは、オーシア、ベルカ、サピン、ユークトバニアなどの多くの国々から集まった「反政府主義者達」の兵士たちによって擁立されたクーデター組織である。

その目的とは、諸悪の根源(と彼らは定義付けた)である、国境や国家と言った枠組みを消し去ること。

その為に核兵器「試作報復兵器V2」の使用を画策した。

オーシア大陸の各主要都市を核攻撃し、文明レベルを後退させ、人間社会をリセットする。

つまりは、新しい世界を託された次世代に責任も何もかもを放り投げて「次の世代の子供たちは戦争とか、そういうのを余り無い様に志向してくれたら良いね」と言った感じで期待するという、大分フワフワした考え方であったようだ。

正直、彼らの願いが叶うかどうかは、ハッキリ言って微妙なものと言わざるを得ない。

ストレンジリアルに住む人々を核兵器で何度焼き払ってトラウマを植え付けようが、彼らが本質的に変わるわけでは無いだろう。

歴史は繰り返すというし、長い時を掛けてまた同じ流れが繰り返されるだけでは無いのだろうか。

結果として「国境無き世界」の活動自体は、ウスティオ空軍第六航空師団第66飛行隊の活躍によって阻止され、ご自慢の核兵器が文明を破壊していくその様を彼らは目の当たりにする事無く、組織は壊滅してしまっている。

総括すると、組織を構成した人々や成立した状況を鑑みるに、ベルカ戦争によって国家主義的思想に嫌気がさした人間や、同戦争で国をめちゃくちゃにされてしまった人間が行ったいわゆる「集団ヒステリー」こそが活動の本質であるとも言える。

故に発想や手法自体は、短絡的かつ思想的にもこれ以上の発展は望めないものであったのだ。

つまり「気に食わんからぶっ壊す」程度の域を出たものでは無かったのである。

どうやら彼らの破壊活動が身を結んだとしても、そこに「救済」は無いようだ。

一応、時代の流れと共に彼らの(一部の)願い通りに「国家という枠組み」はその力を失っていったらしい。

しかし、その後にも「企業」と呼ばれる組織が成り代わって「欲と欲とのぶつかり合い」は繰り広げられている。つまり彼らの真の望みは遂には叶わなかったのである。

世界に無用な混乱を押し付けるだけに終わり、"直接的"には大して世界に影響を与える事もなく、しかもあまり大きく後世に名を残す事無く忘れ去られ、その上、思想的にも敗北を喫した「国境無き世界」たち。

彼らの野望が潰えた理由は、全ての問題の責任を国だとか国境だとかに求めたことにある。

「醜いパイの奪い合い」も「欲と欲とのぶつかり合い」も、全ての原因は「人間」にこそある。

国家も国境も、人間が用いる手段や道具に過ぎないのだ。

 

ウロボロス

ウロボロスとは、2040年を中心に活動すると予想されているクーデター組織である。

多国籍企業体ゼネラルリソースや、ニューコムと言った世界を支配する名高い企業達、国際組織NUNの下部組織UPEOなど、それ以外にも様々な出身の賛同者で構成される事となる。

彼らの活動目的とは、人に対して電脳化(サブリメーション)する事により、全人類の精神をエレクトロスフィア=情報ネットワーク空間へと移行させ、人類を"肉体"という枷から解き放とうというものだ。

2040年になり国家や国境がその意味を無くした後でも、企業がそれらに取って代わって「欲と欲とのぶつかり合い」である企業間戦争を演じている。

つまりは、上記された欲望の責任を「組織」に押し付けていた「国境無き世界」の思想は、この時代にはナンセンスだと証明されてしまった訳だ。

ウロボロスはそこから思想的に何段階かは進んでるようで、争いの根底にあると思われるヒト個人個人の「欲望」に狙いを定めてフォーカスしている。

物欲、食欲、性欲、睡眠欲など、人間の肉体があるから故に生じる欲望は幾つか存在*1しており、そして、それを得る為の貨幣=カネを媒介として、人と人とが諍い、争い、潰し合い、権力争いや戦争などと言った不幸な出来事さえ生じさせてしまう。

ウロボロスは、これらの不幸を起こさない様に「欲望の源泉たる肉体」から人類を解き放つ事で、人類を有史以来延々と縛り付けてきた様々な"呪縛"から解放しようと考えたのである。

以上がウロボロスの組織目的であるが、しかし同組織の活動「電脳化=サブリメーション」には致命的な落とし穴が存在する事を忘れてはならない。

そもそも、人間の精神をエレクトロスフィア内へと「変換する」ことは不可能であり、つまり「電脳化」とは、人間の精神のデッドコピーをエレクトロスフィア内にて生成すると言った物に過ぎない*2

よって、ウロボロスの教義である「人類の電脳化」と「肉体の否定」「欲望からの解放」や、彼らの行った人類に対する数多のテロ攻撃などから、彼らの行いを再解釈すると「人類の電脳化」を成し遂げるには「物理的人類の人類規模での集団自死」に成す以外に方法などは無いのである。

確かに、人間をデッドコピーし複製元の人間を殺してやれば、サブリメーション完成である。

その上「肉体を否定」出来るし、その人は「欲望から解放される」であろう。

その人は死んだのだから。

いやでもそれって解決法としてはどうなんだと言わざるを得ないんだが、いやホントどうなんだ。

 

ちなみにこのウロボロス、一つオチがあって、上記に記した組織目的の実はその殆どが詭弁だったりする。

ウロボロスの本当の目的とは、創始者「アビサル・ディジョン」が、エレクトロスフィア内にて「ぼっち」過ぎて気が狂ってしまったが為に、全世界に向けて己の存在を主張するというものだったのだ。

ウロボロスの表向きのお披露目と共に「世界よ!俺の力を見ろ!」とばかりに、自己顕示欲求と承認欲求に突き動かされて*3現実世界へ様々なちょっかい(テロ)を行ったのである。

つまりは、「ディジョンによる壮大かつ迷惑な自己主張」こそがウロボロスの本質とも言える。

また、ウロボロスの言説に従うならば、このように電脳化された人間からは、生理的欲求+物欲自体は(恐らく)消えているが*4どうやら、彼らの狼藉の数々を見る限り、争いの種となるような様々な欲求は消えてないよう*5でもある。

電脳化により肉体を捨て去ったとしても、人間は欲望を捨て去る事は出来なかったようだ。

よって、肉体と精神の両方消し去る事でしか、人間を欲望から救い出す方法は無い、という結論に行き着きそうである。

結局、死ぬ以外には救済の道はないと言うのだろうか。

 

コスモポリタリズム

f:id:standardsalvo:20190410071947j:image

軌道エレベータの裾野には巨大な難民キャンプが作られている。救援物資はユークトバニア他各国から飛来し、空挺投下で運ばれている。それを呼びかけたのは、コスモポリタリズムとも言うべき世界を目指す先導者となったエルジア女王だった。

(参照:戦争史 section #05 灯台戦争)

出展:ACES at WAR history

コスモポリタリズムとは2019年に、エルジア王国女王ローザ・コゼット・ド・エルーゼが唱えたと言われる思想である。

残念ながら、ゲーム中においてこの思想が詳しく解説される事は無かった。

灯台戦争の戦災避難民達は、国家の垣根を超えてISEVへと集い、彼らの元にはコゼットが呼びかけたユークトバニアをはじめとする世界各国からの援助物資が届き、彼らを支えている。

この構図こそが、コゼットの願ったコスモポリタリズムの第一歩なのだとも考えられ、また「"タブロイドが欲しがっていた"新体制」らしい。

つまり、国と国との垣根を超えた新しい形の社会なのである。

これを聞きつけてか、終戦以降、ユージア各国から毎日新たな避難民達がやってきており、この体制を構成する人々の輪は、少しずつ大きなものとなっているようだ。

そんな中で、この思想(と体制)の先導者であるコゼットは、目指すべき星空を眺めているという。

f:id:standardsalvo:20190410071957j:image

※ここからはこれまで以上の、俗に言うハーリングの鑑では片がつかない程の妄想が展開されます。

 

ここからは、この謎多きコスモポリタリズムとコゼットの考えについて考察していきたい*6

そもそも、コスモポリタリズムとは「人種・言語の差を乗り越えた世界平和には、全ての国家を統合した世界国家を建設すべきである」という言説に基づいて構想された、いわゆる世界国家思想である。

コスモポリタリズムは、世界市民主義、世界主義とも呼ばれ、その賛同者はコスモポリタン即ち地球市民とも称される。

タブロイドが本来属していたアナキズム(無政府主義者)との違いは、アナキズムが国家を否定している事に対して、コスモポリタリズムは政府や国家の存在を肯定する事にある*7

f:id:standardsalvo:20190412230225j:plain

また、エイブリルが連呼していたキーワード「ダークブルー=宇宙へと繋がる成層圏」であったり「人間の可能性を繋ぐロープは残った」然り、ケイナガセ女史のピルグリムの下り然り、女王様は星空を眺めているの下り然り、「7」のクライマックスに掛けて、どうやら人類は今後、宇宙へと向かっていく*8流れが暗示されている。

コゼットも、例の絵画とハーリングの鑑に影響されたせいか、コスモポリタリズムとISEVを結び付けて何らかの思想に目覚めてしまったようである。

コスモポリタリズムとISEVと宇宙へを組み合わせて、色々と端折りまくって強引に解釈し明文化すると、つまりコゼット版コスモポリタリズムとは「今まで戦争などの、醜いパイの奪い合いに振り分けられていた"欲望"という人間の活力を、一つの目標へと集約、全人類をISEVを通して収束させ、宇宙へと昇華させる」と言ったところなのだろうか。

例えば、"絶海の孤島"なんかを想像して貰えばわかりやすいので、これを用いて説明する。

その孤島では日々、人々が資源争いや縄張り争いを行なっているものとする。

このままでは人々は島の中で喰い合うばかりだが、協力して船を作り、外洋へと飛び出そうと提唱する人間が現れ、島の皆を纏める事ができれば事態は変わってくる。

その航海の先に、島民の皆が喜ぶ新天地があるかどうかは定かでは無いにしても、協力して木を切り、縄で木を組み合わせ、帆を立てて、オールを握り、外洋へとこぎ出そうとしている間には、島の人々は恐らく"同じ目標を持って"協力する"事だろう。

その過程で、"仲間意識"や"連帯感"だって芽生えるかもしれない。

少なくとも、それを行なっている間には彼らが喰い合う事は無いだろう。

要は、人間の欲望を否定するのではなく、上手い具合に誘導してやるのが一番よろしいのだ。

そして、その時、皆が向かっていく為に必要な目標、あるいはそれを示すものこそが"灯し火"なのである。

これこそが劇中で何度も言われていた「暗い世界を照らす"灯し火"」なのだ。

これに関してトリガーは「ハッシュ作戦(Operation:Hush)」の成功をもってして、コゼットに思想の実現可能性を示している。

本来争っていたはずのオーシアとエルジア(の一部)は「三本線に着いていく」を合言葉として「無人機を倒す」と言う一つの目標を達成する為に纏まっていった(The sky is conected.)*9

結果、彼らは協力して、強力な無人機「フギンムギン」こと「ADF-11」を打ち倒す。

そして、最後にはそこから生還まで果たしたのだ。

f:id:standardsalvo:20190412230508j:plain

コゼットが「7」の最後の最後に発した「Can you hear me?*10」「聞こえますか?」と言う意味深な呼びかけは、全ての人類に対しての、コスモポリタリズム賛同を募る呼びかけに他ならない。

現在進行形で、避難民の集合という形で広がっていくコスモポリタリズムの輪には、ユージア大陸民、引いては全ストレンジリアルの民が参加する余地がある。

コゼットの提唱したコスモポリタリズムの思想は、国境無き世界やウロボロスと比べると、幾分建設的かつ健全な方法で、ストレンジリアルの民に対する救済への道を示しているようにも見える。

f:id:standardsalvo:20190412230603j:plain

しかし、現実に目を向ければ、この思想を発する新体制とやらは各国の援助が無ければ立ち所に消えてしまうし、そもそもまず何をどう具体的に成し遂げたいと考えているのか、とにかく具体性が無いフワフワした思想でもある事にも気がつける。

また、思想先導者が年若いうえにかなりの電波ガールであるという点も心許ない。

思想を発信している体制の政治状況が危ういという事、思想先導者の頭のネジがちょっとアレな事、また具体的な活動内容が不明である事など、いくつもの問題点があり、この思想が実現するには多くのハードルが立ち塞がっていると言えよう。

f:id:standardsalvo:20190412230338j:plain

 

まとめ 

f:id:standardsalvo:20190412230246j:plain

以上、ストレンジリアルにおける幾つかのカルト組織と思想を纏めてみた。

ロクでもない破滅的な前項の二つの思想とは違って、2019年のコスモポリタリズムは思想的にはちょっと面白いものになっており、ストレンジリアル世界を「醜いパイの奪い合い」「欲と欲とのぶつかり合い」から唯一健全な道として救う手立てになるかもしれない可能性を秘めている(彼女ら風に言うのであれば「暗い世界を灯す」)。

しかしながら、2019年→2040年に掛けてまたもやユージアを覆う事となる企業間戦争という戦乱や、思想発生の時系列(コスモポリタリズム→ウロボロス)を見ると、彼女らの社会に対する思想の勝利に対しては悲観せざるを得ないでいる。

長いスパンで見れば、コゼット達の思想は最終的にはUGSFで成就しているものの、彼女らの唱えた思想がすぐにストレンジリアル世界を変えた訳では無さそうでもある*11

また、2040年代までにそもそも件のISEVそのものが残存しているのかどうか、と言う疑問までもが生じてくるのだ。

そもそもISEVはその構造上、攻撃には脆弱かつ余りにも巨大である為にその防衛は大変難しい。

その為にIUNは、二機のアーセナルバードとその運用無人機と言う、厳重かつ堅牢な防衛機構を構えていた。

しかし2019年12月、灯台戦争終結後にはその護りである筈のアーセナルバードは一機も残っておらず、ISEVは兼ねてより問題視されていた脆弱性がそのまま剥き出しの状態となって残されている。

莫大な太陽光発電エネルギーの供給元である他、エネルギーあるいは政治的観点から見ても、ISEVは多くの勢力にとって喉から手が出るほど欲しい魅惑の存在でもある。

その為にそれを巡って灯台戦争は行われたし、戦争序盤でIUN-PKFは「どうせ他人の手に渡るのであれば」とISEVの破壊さえ目論んだ。

つまり、この先同様の理由でどこぞの勢力が「誰かの手に渡るのであれば」とISEVに対して、何がしかの活動をする可能性も否めないのである。

国際世論から同情されている*12避難民達が住み着いているこの場所に攻め込めば、国際世論からはバッシングを喰らい敵視される事もあるだろう。

しかし人なんてのは貧が鈍すれば何でもするし、そもそも、理詰めで動く連中ばかりでも無い。

そして、灯台戦争後のユージア大陸には、追い詰められて貧する人がひしめき合っているのである。

今後、リスクを度外視し、損得だけを考えてISEVやコスモポリタンに働き掛けたり、攻撃したりする勢力が発生する可能性がある、という事だった。

また、ISEVやコスモポリタンが抱えるリスクはそれだけに留まらない。

彼ら避難民達が、戦災で疲弊し混乱しているユージア各国を尻目に、世界各国に同情を引いて、弱者ビジネスを用いてのうのうと生活していると言う点も見逃せない。

しかもこの集団を「主導している」のは、見方によっては灯台戦争を煽り、エルジア王国を敗戦させ、そしてユージア大陸全土へと混乱と火の粉を放った、エルジア王国王女その人でもあるのだ。

これに憎しみの目を向ける人々は、恐らくは少なくは無いだろう。

つまり、今後、妬みや憎しみなどの感情を理由としてISEVやコスモポリタン、コゼットに対して何らかのアクションを行う勢力が発生する可能性もある、と言う事だった。

以上より、灯台戦争後のISEVは依然として、それどころか戦争前より更に悪化して、争いの火種を満載した「巨大な火薬庫」に成り下がってしまったとも言える。

本当は「宇宙がなんだ」「コスモポリタリズムがどーした」などと寝ぼけた思想を語ってる場合では無かったりするのである。

実は状況はかなりヤバいのかもしれない。

果たして、ISEVは2040年まで残存出来るのだろうか。まだ一悶着ありそうだ。

f:id:standardsalvo:20190412225409j:plain

 

余談

f:id:standardsalvo:20190410020049j:image

ところで。

2月に上がった「7」のDLCトレーラー。

何やら意味深な単語が並びまくっていたような記憶がある。

特に、ディプレスト軌道(弾道ミサイル)、「100万人の人質」、「1000万人救済計画」、そしてトロッコ問題などと、なんだか不穏な内容が踊っていたのも憶えている。

一体「ナニ」を「どう」やって「トロッコ問題」させようというのか。

トロリーされる対象は、今のところハッキリとは明言できないが、一体、何が起こるというのか。

そもそも「救済」の定義て何なんだろうか。

f:id:standardsalvo:20190410023021j:image

まあ、よくは知らないんだけどね。

*1:物欲は生理的欲求に含まれない筈だが、何故かウロボロスの犯行声明には生理的欲求とセットで言及されている。

*2:実際に電脳化に成功し、ウロボロスを操っていた創設者「アビサル・ディジョン」は、複製元の人間からの連続性は無く独立した存在であった。

*3:ディジョンの断末魔「助けてぇぇぇぇぇ…ヨーコぉぉぉぉ!!」というセリフからも、生存欲求は健在である事が伺える。やっぱり、サブリメーションをしても欲望は消えないんじゃね?

*4:物欲が消えているかどうかはかなり怪しい。

*5:電脳化されたシンシアも後にフィーに対して自己顕示欲求を爆発させ、煽りに煽ってエレクトロスフィア内がどれほど素晴らしいかを自慢しまくったりしている。電脳化した人間は、これらの様に欲望を持っているような描写がチラホラ見えている。というかそれ以前にも、ディジョンは大量の機材や人材を揃えたりして、欲望に突き動かされ、争いの種を撒き散らしている。

*6:コゼットの提唱するコスモポリタリズムが現実世界における、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスが提唱したコスモポリタリズムと同様のもの、あるいはそこから派生発展したものと仮定し考察する。

*7:つまり、タブロイドにとって政府が無くなるかどうかは本来どうでも良く、戦争が無くなりさえすればそれだけで良かったか、もしくは国家主義的思想じゃない新体制であればなんでも良かったのかもしれない。

*8:ストレンジリアルの最終到達点であるUGSF(United Galaxy Space Force,銀河連邦宇宙軍)シリーズは、エースコンバット3を媒介として、リッジレーサーシリーズなどと広義の意味では世界観を共有している。UGSFシリーズの未来世界では人類は宇宙に数多く進出しているようだ。しかし、メビウスやトリガー達が頑張った世界の果てに、西暦2810年を舞台としたあの「しんぐんデストロ〜イ」が控えていると考えるとなんだか妙な気分にもなる。

*9:一つの目標(敵)と、一人のパイロットによって半ば無理やり強引にユージアの空は「The Sky is conected.」したわけだが、あの「三本線」さえが無ければ本来は「The Sky is not conected.」のままなのである。結局キャッチコピーも「空は繋がらない」で発売後も変わらなかった。なんだか意味深な気がするが、結局どういう事なの。

*10:基本的にトリガーにとっての「Can you hear me?」の呼びかけは、面倒ごとをふっかけられる合言葉でもある。エイブリルからは避難民を助けてくれへと派生するし、ミハイからは無人機の生産を絶てに派生した。コゼットからは暗い世界を照らす灯し火を(灯してくれ?)に派生している。そのどれもが困難極まり無い無茶振りとなっている。次は一体どんな聞こえますかを吹っかけられるのだろうか。

*11:もしかしたら、ISEVを中心にユージア各国がまとまり、後のNUNや巨大国家ユージアが成立するのかもしれない。しかし、これの有していた司法や政治は、企業と資本によって敗北し、企業間戦争によってまたしてもユージア大陸は灯し火どころか火の海になっている。つまり、2040年代においても人々は「一つとなる事無く」殴り合いを続けているのだった。

*12:同情されている故に、物資が世界から運び込まれているのであろう。コゼットは灯台戦争においても、エルジアが国際世論から同情を引く様に誘導している。コゼットは被害者っぷりを世界に訴えるに掛けては天賦の才があるのかもしれない。しかし、ユークトバニア辺りは、ユージア大陸の利権争奪戦に乗ずる為に救援物資の空中投下に名乗り出てる可能性もあったりして、そう単純な理由ばかりで支援活動が進んでいる訳では無いのかもしれない。