拝啓、ノースポイントより

エースコンバットを自由研究するブログ

トレイラー・アンノウン

もはや今更だが、エスコン「7」のシーズンパスで、3ミッション、3追加機体がやって来るらしい。

詳しい情報の初出は、2月6日でのトレーラーの発表である。

2月6日のあの日の出来事は、2か月経った今でも鮮明に憶えている。

ロングキャスターに影響されたせいか、衝動的にハンバーガーを食べたい気持ちが抑えきれなくなった。

東京駅の近くのシェイクがウリ(らしいが一度も頼んだことがない)のチェーンのバーガー屋に突入し、腹いっぱいになるまでバーガーを食う。

腹が膨れた帰りの電車の中、暇を持て余しスマホを取り出したのだった。

なんとなくYouTubeを開くと、驚くべきことに、エスコンの新トレーラーが追加されているではないか。

あの時の衝撃は今でも鮮明に憶えている。

トレーラーを視聴する為、絡まったイヤホンをカバンから急いで引っ張り出し、それをもどかしく感じながら、やっとの思いでほどく事に成功する。

そして汗ばみ、震える手でジャックに挿す。

この時、「7」のキャンペーンモードはとっくにクリアしてしまっており、実を言うと少しばかり燃え尽きたような状態だった。

ユージアの空に戻るには、何かキッカケが欲しかったのである。

思い返せばいつだって、エスコンシリーズのモチベの源はPVやトレーラーだった。

告知映像を見てから本編をプレイするまでを楽しみに待つというのは、このシリーズの醍醐味の一つだと自分は勝手に思っている。

恐らくはこのトレーラーで展開されるかっこよくて素敵な音楽とアツい映像や展開は、自分を深く魅了し、再びユージアの空へと舞い戻るきっかけを与えてくれるに違いない。

そうだ。ミッションSラン埋めや、地上絵探し、マルチプレイ、勲章集めにエンブレム。「7」にはやれる事、やってない事がまだたっぷりあるじゃないか。

フォートグレイスが待っている。フォートグレイスに帰る時がやってきたのだ。

そして、期待に満ち満ちてワクワクする目の前で、遂にトレーラーは再生された。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやこら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何を言ってるのかサッパリわかんねえぞコレ。

 

 

 

 

 

 

 

 はじめに

今回のトレーラーは曲者である。

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今までのシリーズのソレらとは全くもって毛色が違うのだ。

例のトレーラーは、何やらAlexなる人間(?)と、一人の男性アイコンの二人が、レポートのテーマについてをチャット風SNSで相談するという内容だ。

終始、何やら意味深かつ理解不能な単語の数々が繰り出されていた。

「消息不明者の帰還」「英雄の暗殺」「擬態蝙蝠」「ディプレスト軌道の到達点」「自然演繹(しぜんえんえき)」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」「100万人の人質」「1000万人救済計画」と言った意味深な文字の羅列が並ぶのだが、さて、何が言いたいのやら。

これらは、恐らくは新たなるキャンペーンミッションの展開を示唆するものだとは思うのだが、しかし、本当はどうなのかはサッパリ「不明」であり、現段階では推理、考察と言う名の妄想を行う以外に打つ手などは無い。

しかし、ここで諦めては"自称"エスコン研究者の名が廃るというものだ。

取り敢えず、論理学的な単語が多数踊っている事が判明したので、財布を握り締めて書店へと向かった。そして、入門書から読み倒すこととした。

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入門書という時点でかなりの失笑ものだが、知能指数と偏差値が圧倒的に足りていない為に仕方がない。何事もまずは基礎からである。千里の道もなんとやらだ。

とにかく、ロカロハ砂漠にて小銃で戦闘機と戦おうとしたエルジア軍人の如く、無謀な論理学との果て無き対決がここに始まったのである。

オチから言うと、これらの本には「自然演繹」なんて一言も載ってなかったたんだけども。

以下、付け焼刃感満載で、PVに登場した単語について頑張って説明していきたいと思う。

しかし、その内容は、燦々たるアレである為に注意されたい。

 

目次

 

意味深レポートテーマ集

 

消息不明者の帰還

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のっけから残念な感じだが、これについては正直「不明」である。

消息不明者なんか誰か居ただろうか。

申し訳無いが、全く思いつかない。

「不明」。

 

 

英雄の暗殺

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これも何をいってんだか「不明」である。

それなりに可能性があるかな、と個人的に推したいと思っているのが「ピルグリム(巡礼者) 1」の「ケイ・ナガセ」女史のそれである。

彼女は、地球へと近づく小惑星の破壊ミッション、即ち、第二第三のメガリスを未然に防ぐミッションに臨み、そして成功に至っている。

つまり、実は彼女は地球を救った英雄なのだ。

彼女が暗殺されると思った根拠として、今作「7」では、「5」由来の要素を片っ端からぶち壊すような(制作側の意思)傾向が見られた。

具体的には、ケストレルⅡが良いとこ無しに沈んだのを皮切りとして、ハーリングの死、シーゴブリンの呆気ない全滅、などである。

つまり、これに則れば「ケイ・ナガセ」が殺される可能性も否めない…気がしないまでも無いが、ちょっと色々と薄い考察かもしれない。

そういえば、ハーリング殺害もそのまんま「英雄の暗殺」である事を思い出した。

前言を撤回して、素直に「ハーリングの死」の可能性が一番高いのかもしれない。

ハーリングの死が6月6日であり、PCの日付「September 18(9月18日)」からも、オーレッド(オーシア首都)では間違いなくホットニュースっぽそうな事からも、やはりこれは「ハーリングの死」な気がする。

後述されるレポートテーマと比して、比較的社会派なトピックスになっているようだ。

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擬態蝙蝠

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本気で心苦しいが、これもまた「不明」ではある。

擬態する蝙蝠としては「シロヘラコウモリ」なんかがいる。

このシロヘラコウモリ、現実世界の中南米に生息し、フルーツなどを食べて生きる体長4~5cmの小さなコウモリである。

その特徴として全身がまるで雪の様な真っ白でモコモコした毛に覆われている。

彼らは普段は植物の葉と葉の間に身を隠して生活しているのだが、植物の葉というフィルターを通して射す日光が彼らの白い毛に当たるとき、彼らは植物の葉とほとんど見分けがつかなくなってしまう。

「葉っぱに擬態して生きるコウモリがいる」という話だった。

シロヘラコウモリも、ストレンジリアルのレサスとかオーレリアに生息していたりするのだろうか。

とはいえ、シロヘラコウモリがエースコンバットと関連性があるかどうかと言われても、いまいちピンとは来ないのだが。

ここは素直に、所属を変えまくる「蝙蝠野郎」が、何かに「擬態」していたと考えるべきなのだろうか。味方のフリをしていた、とか。

しかし、やはりコレについても本気でわからない為に「不明」と言わざるを得ない。

 

 

ディプレスト軌道の到達点

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ディプレスト軌道とは弾道ミサイル軌道に関する用語である。

このディプレスト軌道についてザックリ説明する前に、まずは全ての基準となる、最小エネルギー軌道について説明する。

 

最小エネルギー軌道

最小エネルギー軌道(MET)とは、弾道ミサイルが質量当たり最小のエネルギーで飛翔できる、つまり最もエネルギー効率の良い軌道のことをさす。

その為に最小エネルギー軌道では、理論上、最も物を遠くまで、そして最も大きな質量の弾頭を目的地まで運ぶ事ができる。

弾道ミサイルの軌道は、この「最小エネルギー軌道」を基準として、これより軌道「高いか」「低いか」で区別がなされる。

 

ディプレスト軌道

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件のディプレスト軌道、その定義は、弾道ミサイルが描く軌道の「最高点」が「同一射程の最小エネルギー軌道(MET)」と比して「低い」弾道の軌道である。

ディプレスト軌道の最高到達点は、最小エネルギー軌道よりも低い。

その為に、迎撃側のレーダーによる探知が難しく、反応が遅れ、迎撃が困難になると言われている。

また、後述するロフテッド軌道や、最小エネルギー軌道よりも飛翔速度が「速い」という特徴がある。

弾道ミサイルが火を噴きながら加速するのは、加速段階(ブースト・フェイズ)のみであり、そこに再突入時の終末段階(ターミナル・フェイズ)の重力落下やら大気摩擦やら地球自転やらが、もうなんかようわからんが色々と云々カンヌンした結果、弾道ミサイルの飛翔時間と速度は定まる。

ディプレスト軌道はその最初の加速段階において、ロフテッド軌道や最小エネルギー軌道ほどには角度のついた軌道をしていない為に、弾道ミサイルが受ける速度低下要因としての重力損失は少なめでもある。

飛翔時間が「短く」、速度が「速い」ディプレスト軌道は、弾道ミサイル軌道の主流派でもある。

 

ロフテッド軌道

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上記とは逆に、弾道ミサイルが描く軌道の「最高点」が「同一射程の最小エネルギー軌道(MET)」と比して「高い」弾道である軌道を、ロフテッド軌道という。

このロフテッド軌道は、弾道ミサイルの再突入後の終末段階では、落下角度がほぼ垂直になるために迎撃が非常に困難であるといわれる。

また、このロフテッド軌道は、ディプレスト軌道や最小エネルギ―軌道と比べると、飛翔速度が「遅く」、飛翔時間が「長く」、最大弾道高度も「高い」と言う特徴がある。

加えて、ロフテッド軌道にら「野球ボールを真上に全力投球すれば、高く上がった後近くに落ちてくる」の如くに、近距離の目標に対しての弾道ミサイル攻撃が可能となる利点がある。

ロフテッド軌道は比較的、特殊な射法となる。

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以上、明日使える弾道ミサイル軌道についてのトリビアだった。

何が言いたいのかまとめると「ディプレスト軌道の到達点」から想像できるのは、早い話が「ミサイル攻撃の可能性」であるということだ。

例として、「2」の「ラストリゾート」ミッションにおいて、ドラゴネット級原潜がセントアークに向けてICBMを撃っていた件などが挙げられる。

要は「4」にも「7」にもあった、エスコン伝統のミサイルチェイスをまたしてもやらされる可能性があるのかもしれないということなのだ。

しかし、今ここで「そもそも戦闘機でミサイルに追いつくのは無理だし、あのICBMって再突入どころか大気圏脱してすらいなくね?」というツッコミも思いつく。

今回は「ディプレスト軌道」とわざわざ強調しているので、もしかしたらミサイルとの追いかけっこは起きないor出来ない可能性もあるのだ。

例えば、発射されたあるいは再突入する弾道ミサイルを、成すすべもなく眺めてるだけになる、とか。いや、まあ知らんし、それじゃゲームにはならんか。

また本題になるが、ここにおいて最も重要な問題とは、その「到達点はどこか」という話でもあったりする。一体全体どこになるのだろうか。しかし、現状ではそれも「不明」なのだ。

 

 

そもそも論理学とは何か?

ここからはAlex君(?)が提案する単語群についての無謀過ぎる説明を行いたい。

Alex氏はどうやら論理学が得意なのか、論理学を大変好む人間(?)らしく、よって彼の提案するレポート課題は論理学の用語ばかりである。

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これから説明する「自然演繹」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」のいずれもが、論理学に関する用語だ。

ちなみに、この論理学、人口知能研究において重要な役割を持つ学問だったりする。

実は、人工知能には物事の「論理」つまり「何故(過程)」に当たる部分が、あまりよくはわかってはいない。

物事と物事の関係からどのような結論が見出せるかを考えるのが苦手なのだ。

例えば、人工知能が「どうやら世の中から病院が減っていけば、健康な人が増えていく」という結論を出したとき、それが「病院が無いから各々が健康に気を付けて健康になる」からなのか、「単純に病人や体の丈夫でない人が死に、よって健康な人が生き残る」からなのか、それとも「世の病気は全て医療医薬品業界が諸悪の根源、つまりはマッチポンプであり、その手先である病院さえ無くなれば人類は病気から解き放たれ健康になる」というトンデモ論から導き出した解答なのか、その「何故」に当たる部分が具体的には何なのか、実はサッパリわかっていなかったりするのだ。

よって、仮に人工知能の提案通りに行政が動いたとして、医療費削減目的で病院をつぶしまくった結果、その「何故」がよくわかっていないために、そこから何が起こるのかは予想がつかないし、まずロクでもない事が起こる事請け合いである。

何らかの理屈に従い、国から本当に病人が減ったとしても、それではあまりにも危険が過ぎるだろう。

つまり、現代の人工知能はマトモな理論を一から、独りでに導き出すのが困難である為、何かの意思決定の相談について利用する場合では、正直色々と不安だったりする*1

なので、人工知能に「論理」を教え込むことで、人間と同様にして、論理的思考ができるようにしようという試みがなされている。

その中でも「推論」は特に重要で「今ある前提(命題)を基にして論ずることによって結論(命題)を見出す」という行為そのものが、人間のロジカルな思考体系をトレースしていることに他ならない。

そして、人工知能は、様々な知識を基として「推論」を行っているのだ。

また、そもそも人口知能を作ったり、構造を理解したりするには、論理を式化した論理式の読み込みや、それの理解には論理学の理解が必要不可欠である。

速い話、人工知能にとって「論理学」「論理」はとても大事なものとなっているのだ。

ところで、灯台戦争を通してトリガーたちは、人口知能を搭載した無人機たちと散々戦ってきた。

今回「論理学関連ワード」である「自然演繹」「推論規則」「後方推論」「トロッコ問題」などをPVでわざわざみせられたわけだが、これらは、今後のDLCのキャンペーンにおいて、人工知能関連つまり無人機に関して、更に何かひと悶着あるという事の示唆だと考えられやしないだろうか。

以降は、「Alex」氏が提案した単語群について、付け焼き刃ながらも説明していきたい。

 

 

自然演繹(※要加筆修正項目)

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論理哲学用語。

まず「演繹」とは、一組の前提から厳密な推論規則(推論規則については後述する)に従って結論を導き出す推論のことである。

演繹は、前提が「真」でさえあれば、結論も百パーセント「真」でなければならないというルールがある。

また、そのような推論を、時に「論証」と言ったり「論理的推論」と言ったりする。

演繹は推論規則に厳密に従いさえすれば、その推論規則はどんなものでもよく、つまりは「演繹」は推論規則が何であるかで、その形も変わってきてしまう推論でもあるのだ。

演繹について、具体例を一つ挙げて説明する。

具体例:

人間は死ぬ。

カウントは人間だ。

カウントは死ぬ。

前提である「人間は死ぬ」は普遍的な事実として「真」である。

また、カウントが人間である以上、いつかは彼も死ぬことになるであろうことから、その結論もまた「真」となる。

カウントがこの先、ジジイになり大往生するのか、過去に行った「詐欺」の恨みから誰かから殺害されるのか、または「トリガーに付いていけば生き残れる」を守ったにも関わらず火ダルマにされて終わるのか、この先どのような死因になるのかは不明だが、彼もまた人間であるである以上死からは逃れられないハズである。つまり、結論としてカウントもいつかは死ぬのだ。

このようにして、演繹は推論規則の制約内でのみ結論を導くために、前提条件以上の新しい情報を導くことは不可能である。

とはいえ、人間の洞察力なんてのはたかが知れているがために、演繹法を用いれば当たり前のように思える前提から思いもよらない結論へと行き着く事だってあるのかもしれない。

意外な気付きや、発見にだって至れるかもしれないのだ*2

 

 以上が演繹の説明であり、ここからは本題である「自然演繹」の説明に入りたい。

といいたいところだが、残念ながら自然演繹が何なのかが、割とマジでサッパリわからない。

現状では一応、それっぽく体裁を整えておく。(ここの項目については理解が追い付き次第、追々、加筆修正を加えていきたい。)

自然演繹はその名の通り演繹(論証)の仲間である。

もともとある前提と、計9つの「推論規則」の活用などによって論証を正当化する。

1.仮定の規則

2.前件肯定

3.二重否定の規則

4.条件付き証明の規則

5.∧-導入の規則

6.∧-除去の規則

7.∨-導入の規則

8∨-除去の規則

9.背理法

示された前提(前提が無い場合もある)と、上述した推論規則を組み合わせて論理式の列は記述される。

最終行にて論証は「自然な」ものとして証明される。

 

自然演繹について「例題を解け」とか「具体例をかけ」とか言われても、無理であり、つまりは全く理解をしていないわけだが、しかし、ただ結論として「今回論ずるべき、証明するべき推論の前提をトレイラーは示していない」とだけは断言できる。

つまり、この単語についてのこれ以上の深堀りはできない、ということだけは宣言できるのだ。

何故なら演繹は、前提以上の結論を見出す事ができないからだ。

つまり、前提が示されておらず、何について演繹をすればいいのかを示していないが為に、これについては本当に「不明」という結論しか、現状では出せない…知らんけど。

 

 

推論規則(※要加筆修正項目)

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論理学関連単語。

論理式(定理もしくは公理)から、他の論理式(定理)を書くときに使う変形ルールのこと。

 例えば、自然演繹において前提がない状態で「p→q,¬q¬p(間接証明)」の論理式を証明する際、第四行にて「前件肯定」の「p,p→q q」を用いたがつまりはソレである。

推論規則には、例として上述した前件肯定のほかにも、三段論法や全称化などの無数が存在するが、今回の「自然演繹」では、上述した9つの推論規則を用いるために、Alexが提案している推論規則は、恐らくそれなのであろう。

しかし繰り返すが、前提やそもそも何を証明するのかが不明である為に「推論規則」と言われても、何を示しているかは残念ながら現状では「不明」であることに変わりはない。

ぶっちゃけ、何の脈絡も無く因数分解!とか言ってるのとあんま変わらん気がしないまでも無いが、どうなのよ。

 

 

後方推論

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または後ろ向き推論。人工知能に用いられる論理学的手法。

ある結論を仮定し、それが正しいかどうかを、それが成立する条件とルールを変えて繰り返し探索する手法のこと。

わかりやすく言うと、広義の上では「3」においての「プロジェクトネモ」は、電子空間上で繰り広げられた壮大な後方推論だと言えるかもしれない。

ディジョン個人の殺害」という結論を仮定した上で、ありとあらゆる事象をシミュレートし、成立の条件や推論規則を見いだそうとした。

ネモはゲーム中、何周も何周も様々な敵と戦ったり様々な選択を行うわけだが、あの行動過程その全てが「ディジョン殺害」という結論を証明する過程だったと言えなくも無い。

最終的にはどう転んでもネモによってディジョンは抹殺されてしまうので、プロジェクトネモにおける証明は、どうやらなされたようである。

今回の後方推論では一体、何が何に対して証明されるというのだろうか。

しかし、その真相は現時点ではとにかく「不明」である。

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ロッコ問題

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哲学論理学あるいは倫理に関する問題。

ロッコがレールを高速で走っており、このままだと五人が轢かれて死んでしまう。

貴方がレバーを引けば、トロッコは進路を変更し、この五人を救うことができる。

しかしその代わりに、レバーを引かなきゃ死ななかったはずの一人が轢かれてしまうのだ。

果たして「五人を救う為に一人を殺す行為は正しいのか」という話である。

基本的に多くの人は、五人を救い、一人を殺す選択肢を選ぶらしい。

つまり、多数派は公益主義に基づいて思考する。

「五人と一人じゃ、社会にもたらす影響を鑑みれば五人を生かした方が役に立つだろう。迷わずレバーを引いて一人を轢き殺すべきだ」と言うように。

しかしこれは「本来死ななくても良い人間を殺す事になっている」という事について気付かれる事は少なかったりする。

義務論に従えば、誰かの為に誰かの命を用いるのは許されざる行為だから、死ぬはずの無い一人をわざわざ意図的に殺す意味は本来無い筈である。

恐らく、多数派である「五人を生かし、一人を殺すべき」だと公言する人も、いざ実際に現場で「レバーを引けよ」と強いられれば、実行するのは難しかったりするのではないだろうか。

この様にトロッコ問題とは、倫理観や道徳観、社会にへの義務や公益らがせめぎ合うという、結構奥深い議論なのである。

また、実はこのトロッコ問題、更に無限の拡張性があったり、類似した多数のジレンマたちが存在する。

例えば設定を変えて、一人対五人が、四人、三人で人数が変われば、解答はどうなるのであろうか。

また、もしも、轢かれる対象がオッサンだったらどうだろうだろうか。

それが先が短そうな老人だったら。

それが年端も行かない小さな子供だったら。

みたいな感じで、解答者によって結論は三者三様であり、またそこに至るまでの思考過程も変わってきてしまうであろう。

人の持つ偏見と思考と、そして状況の設定によって、レバーを引くか引かないかへの無限の議論の可能性が詰まっているのだ。

また、レバーじゃ想像しにくい人の為に「橋の上から人を叩き落してトロッコを止めろ」という、直接的な表現での出題もあったりする。

ようは「人を叩き落して殺害すれば、その人の死体がトロッコの車輪に挟まり、トロッコは五人を轢き殺す前に止まる」と言うものだ*3

その他にも、ボートを漕いで助けに行くだとか、臓器くじだとか、沢山種類があるらしい。

もしかしたら「弾道ミサイルが発射され、その行先が判明している時、そのどっちを撃ち落とすのか」みたいな問題も作れるかもしれない。

とにかく、トリガーがこの先、どの様なトロッコ問題を解かされるかは現在「不明」ではあるが、あまり気持ちの良い問題ではないであろうこと、それだけは確かそうだ。また、これを解くのは、トリガーじゃない可能性もあるのだが。

ちなみに余談であるが、実はこの「トロッコ問題」は現実世界で人工知能とセットで研究されている内容であったりもする。

その代表的例として挙げられるのが、「クルマの自動運転」に搭載される人工知能であろうか。

自動運転車が何かしらのトラブルに見舞われた際、クルマがその判断をしてくれると言うものだ。

どのような判断基準でクルマがトロッコ問題を解くのかはその人口知能の設計者にしかわからないが、しかし、近い将来、機械によってヒトの生殺与奪が決定される社会が到来するのかもしれないということであった。ゲームの中と同じくらいか、現実は実はそれ以上に奇なのかもしれない。

 

 

100万人の人質

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「不明」。

わからん。

 

1000万人救済計画

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「不明」。

上記のトロッコ問題と100万人の人質とを組み合わせていくと、なんだか、かなり嫌な感じの意味になる気がする意味を想起させてくるのは内緒である。

ちなみに、「reliefe」は当然「救済」と言う意味であるが何かの負担を和らげる」つまり「問題そのものは根本的には解決していない」というニュアンスを含んでいる。

また、それの動詞形である「relieve」には解放する、救済する、または皮肉として「失う(失ったから解放された)」といったものがあるとされる。

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発売前のトレーラーの重要単語(?)「salvation」も「救済」だが、こちらは罪(sin)や罰からの神による救済(=死)的なニュアンスが含まれていたりする。

以上、「救済」にまつわる単語の説明であったが、いずれにせよ、あまり穏やかな意味を表していない気がするから不思議である。

一体何が起こるというのであろうか。

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 まとめ

マジかよ、なんもわかんねえぞこれ。

結局、全部「不明」である。

オチとしては最悪な結末になってしまった。

ただひとつ言える確からしいことは、仮に私が大学時代に論理学をとっていた場合、確実に発狂していただろうということ、これだけである。

とりあえず、長期スパンで、なるべく上述した論理学の意味不明用語くらいは何とかしたいと思う。

とにかく、何やら不穏かつ危険な出来事が、ストレンジリアルワールドで巻き起こりそうではある。

「いやそんなもん知ってるよ」て感じでもあるが。

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ところで、レポート青年と言い、Alexと言い、あまりにも不穏過ぎるのだが、彼ら(?)は果たして一体何者なのだろうか。

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そしてお前ら誰やねん。

不明、不明、不明。「Unknown」。

謎は深まっていくばかりであった。

*1:しかし、情報処理はめちゃくちゃ得意だからそれには凄く役に立つ。このとき、人口知能は人間で言う「直感」で物事を伝えてくれるカタチとなる。「なんかこれどっかで見た事あるなあ、あーこれだわコレコレ」みたいな感じで、似たような結果のグラフとか数値とかを引っ張り出してくれるのにはすごい速いし優秀なのだ。しかし、繰り返すが「どうしてこれとこれ、同グラフやら数値やらが似ているんだろう」と人口知能からすると、「こちらが教えない限りは」、理屈がわかっていないらしい。

*2:ちなみに演繹の対として「帰納」なる推論も存在する。根拠が不十分である為に、結論として得られるのは「恐らくそうであろう」という蓋然的なものとなる。具体例としては「(前提)ラーズグリーズの一番機も、三番機も、四番機も男性である。ラーズグリーズは男性パイロットばかりが務めている。(結論)したがって、その二番機も男性パイロットであるだろう。」という、いくつかの前提を根拠とした、前提から発展したような結論が導き出される。しかし、実際には二番機パイロットの「エッジ」は女性である。このように、論理的には筋が通っている「真」だが、実際には「偽」であるような内容も、帰納には含まれる。

*3:本来の出展では体の太い人を叩き落としてトロッコを止めるとある。デブはトロッコを止めるのだ。