2006年ユージアの旅
オペレーション・カティーナ
我が家のプレイステーション2がついにおかしくなり始めた。
あまりにも酷使しすぎたためか、テレビに映らなくなり始めている。
我がPS2は、やってきてからの18年以上、ラチェット&クランク、クラッシュ・バンディクー、アーマード・コア、メタルギアなど数々な名ゲームを遊ばせてくれた至高の相棒である。
しかし、そんな相棒も20年近くの歳月を経て、ついには生き絶えようとしている。
これには、思わず涙がちょちょぎれそうになる。
あんな思い出やこんな思いでが思い浮かんでは消えていく。
そのどれもが大切な思い出だ。
PS2は俺の青春だった。
PS2こそが長らく我が生きがいだったのだ。
しかし、悲しいが、彼は歳だ。
天に召されるのを見送らねばならぬ。
ありがとう、ありがとうPS2。
人生最高のゲーム機だったよお前は。
いや、くたばってんじゃねえよ
ふざけんなお前今後俺にどうやって「04」や「ZERO」をプレイしろと言うねん
ほんとぶちギレそう。
PS2関連のサービスは終わっているし、生産自体もとっくの昔に終了している。
こんなことなら、中古のPS2を予備用として買っておくべきだった。
己の現状と動かないPS2に、怒りしか湧いてこない。
突然だが、筆者はここ最近「エスコン04」で遊びたくて仕方がなかった。
どうしても、「04」のニューフィールドのアンダーソンクレーターが見たかったのである。
しかしその道は、PS2が不燃ゴミへと変貌しつつあることで閉ざされようとしている。
このままでは一生、アンダーソンクレーターにはたどり着けない。
どうすればいい、どうすれば懐かしのアレンフォート飛行場で遊べるのだ。
そんな悩める俺を救う一つの救世主が現れる。
それこそ、「7」のオマケについてきた、ps4対応ソフト「エースコンバット5 The Unsung War」だ。
なんと、この「5」には「アーケードモード」という本編とは別のオマケモードがついており「04」の幾つかのステージで遊べるのである!!
これは、現状、残された唯一のニューフィールド行きの切符だった。
これをやらない手はないではないか。
ってな訳で、今回は、ニューフィルドに里帰りするついでに「オペレーションカティーナ」について解説しようと思う。
実はこの「カティーナ」、「エースコンバット7」に繋がる要素がチラホラあったりして、やってみると結構面白いんですよ。
いやぁ懐かしいぜ。
概要
「エースコンバットオペレーションカティーナ」とは、我らが英雄「メビウス1」となって敵をやっつける「5」のおまけモードである。
ボウフラの様にわらわらと現れるエルジア残党兵を千切っては投げ、千切っては投げる、とにかくスコアを稼ぎまくろうというシンプルで良い感じのシステムなのだ。
小学生時代、「5」を遊ぶ時はこのモードばかりを狂ったようにプレイしていた。
ケツを追ってくる敵AIをインメルマンターンやらシザースやらで迎撃したり、機をストールさせて敵をオーバーシュートさせたりした。
いかに効率良く敵を倒すのかを追求するのがとても楽しかった。
ただ、制限時間や弾数の管理がシビアで、迫り来る制限時間の中、機関砲で敵をやっつけなければならない場合もしばしばである。
人によってちょっとストレスフルなゲームモードだったかもしれない。
また、ミニゲームなのだがストーリーも設定もちゃんと用意されている。
が(ゲームの仕様上仕方ないのだが)あまりにも過剰な戦力がユージアの空を染め上げており、その絵ヅラはいささかシュールでもある。
プロローグ
オペレーションカティーナは、第1次大陸戦争終戦からの一年後、2006年を舞台にしたユージア大陸での動乱を描いている。
超軍事大国エルジアは激戦の末ISAF連合軍に敗北し、戦後暫定政府の下、おとなしく復興への道を模索していた…はずだった。
しかし、元々は大陸各国の無茶振りに反発して起こした戦争だったのだ。
敗戦した上、領土の約4割も奪われ、難民問題も未解決と来ている。
エルジア人からすれば不条理極めまりなく、国際社会に対してキレ続けていたのだ。
ISAFやFCU(中央ユージア連合)など各国は、外交的にエルジアを追い詰めすぎている。
追い詰め、退路を経てばそれはいつしか必ず噴き上がる。
よって、敗戦後もエルジア兵はしばしば各国境地帯などで散発的に小競り合いを起こしたり、不満を噴出させて暴走していたりしたのだった。
その中でも2006年の反乱は特にデカかった。
エルジア過激派将校達は自らを「自由エルジア」と名乗りホワイトバレーの軍事工廠を不法に占拠。
ユージア東部を中心として、残党やテロと呼ぶには余りもスケールがデカ過ぎる規模での作戦行動を開始するのであった。
いやだからと言ってメビウス1、1人かよ。
ISAFはその一個飛行隊の戦力というか練度の底上げに努めるべきである様な気がする。
ちなみにカティーナ(Katina)はヨーロッパら辺の女性の名前である。
何故この名になったのかは語られておらず、よってその未だに不明。謎である。
自由エルジアの戦力
ゲームルール上、うじゃうじゃ敵がでてくるようになっており、自由エルジアの戦力が凄まじいものになっている。
テロリスト風情が持つ軍事力にしては、質・量ともにあまりにもゴージャスなのだ。
例えば、自由エルジアのアジトであるホワイトバレーには、デカ過ぎる正規空母が一隻、悠々と漂っている。
またどうやら自由エルジアには、エルジア正規軍時代の輸送機部隊や、戦力爆撃機部隊が数多く参戦しているっぽい。
ゲーム中、これらのボーナスターゲットである大型輸送機や戦略爆撃機を撃ち落とす事になる。
というか、毎ステージ輸送機が親の仇の様にしてわらわらとポップしてくる。
これに乗ってエルジア残党共は大陸各地に空輸されていったのだろうか*1。
また、肝心の戦力の中核たる戦闘機部隊もなんかもうすごい。
最強戦闘機のF-22Aをはじめ、黄色部隊が愛用していたSu-37ターミネーターから、Mig-21、定番のF-16CやF-15Cなど、大陸戦争時代のエルジア正規軍時代と何ら変わりない勢いで色々と使っているようだ。
またその極め付けとして、第一次大陸戦争時では実用に間に合わあわなかったという、エルジアの秘密兵器「X-02 ワイバーン」がラストバトルで登場する。
前大戦時にエルジアが作り上げた秘密兵器であるこの機体、どうやらこの武装蜂起でホワイトバレーの軍師工廠から掘り返され、元の持ち主の元に戻り、暴れ回っているらしい。
エルジアには敗戦に対する反省の色など本気で無いようだ。
恐らく、彼ら自由エルジアに怖いものなどは何一つとして無く、その不屈の精神を持ってして、彼らは何度でも何度でも甦るのだろう*2。
恐らくは、エルジア人と言う民族が消滅するまで、ユージアに恒久的な平和が訪れることはない。
嘆かわしい事である。
エピローグ
結局、我らが英雄メビウス1により、悪のエルジア人の大群は駆逐されるのであった。
この時から企んでたんかよ。
~オペレーション・カティーナ完~
まとめ「危険な国、エルジア」
はじめ、エスコン「04」の時、筆者はエルジアに対して同情的だった。
しかし、冷静になってオペレーションカティーナをプレイし、エスコン7をプレイすると、その様な気持ちが無くなってしまう事に気づく。
例えば、敗戦しても夢の秘密兵器「X-02」を取り返すべき暗躍し、一年後反乱を起こしてそのまま実戦へと投入するとか。
また例えば、2006年から2019年まで熱心に無人機の研究を続け、遂には世界に対してそれを用いて喧嘩を売りはじめるとか。
どちらも連合国やら国連によって見張られている状態にも関わらず断行し続けていた。
尋常では無い執念を感じる。
これらの度重なる馬鹿げた研究の数々、何度敗北しても懲りない不屈の精神を見るに「コイツらがユージア大陸中で嫌われるのも仕方ねえよなあ」という気にもなってくる。
おそらく歴史的にずっーと、この様な狼藉を働き続けてきたのであろう。
そりゃ、武装平和と称した冷戦の原因となったり、隕石災害の難民を一方的に押し付けられたりする訳だ。
常に訳わからん兵器を研究し続け、定期的に反乱やら軍事侵攻を起こす国である。
嫌過ぎる。なんなんだこの国。
誰かがなんとかせねばならない。
今、長い時を経て、私はエルジア擁護論者から転向し、ようやくISAF将兵やFCU国民と同じ気持ちを共有する事が出来るようになったのだ。
本当に長かった。
この境地に達するまで17年もかかった。
そうとなっては、急がなければならない。
すぐさまISAFに加わり、エルジアに正義の鉄槌を下さなければならぬ。
あのファシスト共が支配するサルサルバシオンを解放しなければならない。
ハモニカ少年がオレを待っている。
PS2を再び起動し、テイクオフするその時が、今、訪れたのだった。
しかし、俺のPS2は死んでいた。
オマケ「ニューフィールド里帰り」
ああ、懐かしき我が故郷、ニューフィールド島。
遂に長い時を経て、私はアレンフォートへと帰ってきたのだ。
しかし、よく見るとアンダーソンクレイターの様子がおかしい。
埋め立ててんじゃねえか!
「5」のニューフィールド島は、ニューフィールド島だけど、よく知っているニューフィールド島じゃなくなっていた。
2019年初秋、未だに私はニューフィールドに帰れてはいない。
~完~